上戸彩(撮影:野原誠治)
 1997年「全日本国民的美少女コンテスト」で審査員特別賞を受賞後、2000年にテレビドラマ「涙をふいて」で女優デビューした上戸彩。2001年「3年B組金八先生」に出演し高い評価を受け、ドラマ・映画・CMなど多岐にわたって活躍中。今回、手塚治虫生誕80周年として制作された映画「ATOM」の日本語吹き替え版にチャレンジした。“日本を代表する元気なキャラクター”として抜擢された事に対し上戸は、「みんながハッピーでいて欲しいという気持ちはアトムと一緒」と笑顔で語った。

――アトムという国民的キャラクターの声優を務めるということは、とてもプレッシャーを感じたと思います。最初にお話いただいた時どう思いましたか?

上戸彩(以下、上戸):やる! やりたーい!と即答でしたね。世界のアイドルの声をできるなんて夢のようだし、もちろん原作のファンの方がたくさんいるのでプレッシャーは感じましたが、断るなんてもったいなすぎてできないし、やりたくて仕方なかったです。

――アトムは男の子ですが、女性の上戸さんが声をあてる事は難しくなかった?

上戸:大人の男性になるとたぶん難しいでしょうけど、アトムって顔は女の子みたいだし、なおかつ、少年の声なので。だったら、私の声が入っても、個性として活かされると思って。アフレコの時、監督さんは「そのままでいいですよ」って言ってくださったんですけど、自分の中ではちょっと意識して低めの声を出して。ちょっと喉をしめながら言ってました。

――一番、アフレコで苦労した箇所は?

上戸:苦労したのは、戦うシーンですね。今まで使わない、「エイッ!」「ヤー!」「トー!」という声をセリフを使って戦うんですけど、普段甥っ子と遊んでおいてて良かったなと思いました(笑)。

――最初に、この「ATOM」をご覧になられた時、どう感想をもちましたか?

上戸:元々アトムを知らなかったので、先入観の無いフラットな状態で観たんですけど、ものすごく悲しいストーリーで。切なくて。

――周りの世界に溶け込めないみたいな悩みを抱えたアトムを観ていて、私たちも共感できる部分があると思ったのですが、上戸さんご自身は、アトムと自分を重ねた部分はありましたか?

上戸:共感ではなく、笑顔を守っていきたいなというのは自分で常に思いながら仕事をしているので、そういう所は似てるかな。正義感というと少しオーバーかもしれないけど、とにかく、みんなが幸せでハッピーでいて欲しいというのは一緒ですね。