4日のチャンピオンズリーグ決勝トーナメント1回戦第2試合で、リーグ・アンの王者リヨンがマンチェスター・ユナイテッドに1−0で敗れ、2年連続で8強入りを逸した。

 翌日のレキップ紙に掲載された試合後の選手たちの談話が“敗因”を的確に要約している。
「前半はややラインが低すぎた。もっと上げて展開を楽にすべきだった」(ゴブー)。
「もっとラインを押し上げてフォワードをサポートするべきだった」(トゥララン)。
「低い位置でプレーし、必死に守らざるを得なかった。ボールを奪っても、すぐにプレスをかけられた」(ベン・アルファ)。

 その結果、前半は中盤でマンUに圧倒的にボールを支配され、防戦一方の展開となり、トップのベンゼマが孤立した。しかし、うかつにラインを上げられないのは、第1戦のホームでゴールを許して引き分けたという不利な戦況があるからだった。
「第1戦のテベスのゴールが重くのしかかった」(グロッソ)。
「前戦の失点が痛かった。これまでマンチェスターがホームで多くのゴールをあげるのを見てきた。だからリスクを冒せなかった」(ベンゼマ)。

 前半終了間際、第1戦と同様、ゴール前の混戦から失点。後半にはラインを上げ、交代で攻撃の層を厚くして、相手ゴールを脅かすチャンスも生まれたが、やや遅きに失した感がある。

 選手は一様に「落胆」を隠していないが、それも勝てるチャンスがあったことを自覚しているからだろう。
「3―0で負けたなら、失望も少なかったろう。両チームには、そこまで大きな優劣の差はなかった」(トゥララン)。
「2試合を総合的に見て、かなり相手を苦しめるところまでいった。(オールド・トラフォードでも)いい試合ができた」(クレール)。

 それでもマンUの力は存分に思い知ったようだ。
「我々は、才能と経験に恵まれたチームと戦った。自分たちの力不足を認めざるを得ないときがある」(ゴブー)。
「ホームでのマンUは本当に強かった。(第1戦とは)別のマンチェスターだった。こういう大一番で、我々は経験を積んでいく。さまざまな場面のディテールが、あとで役に立つ」(ベン・アルファ)。

 選手たちの談話には、敗れた悔しさと同時に、強豪を相手に精一杯の力を尽くした手応えとすがすがしさも感じられる。多くの選手が、今回の敗退を機に、気持ちを切り替えてリーグ7連覇という目標に向かうと語った。まずは9日に控える“天王山”。3ポイント差で2位につけるボルドーとの対戦は、今季のリーグ戦でもっとも重要な試合となる。

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