リヨンそしてフランス代表の新星として登場し、ビッグクラブから注目を集める20歳といえば、カリム・ベンゼマとハテム・ベン・アルファのコンビ。このところより注目度の高いベンゼマがバルセロナへの憧れを公然と語り話題となっているが、もうひとりのベン・アルファはそのバルセロナからすでに誘われ、オファーを断っていたことを明らかにした。2日バルセロナの地元紙「スポルト」が伝えている。

 ベン・アルファによると、国立クレールフォンテーヌ・サッカー学院(INF、アネルカ、アンリ、サアらを輩出したフランス・フットボール連盟運営のサッカー選手養成機関)を出てリヨンに入団した前後の2003〜04年ごろ、バルセロナのベギリスタイン・テクニカルディレクターがベン・アルファに獲得を申し入れた。しかし本人はリヨンに残ることを希望し、オファーを蹴った。

 ベン・アルファの獲得を試みたのはバルサだけではなかった。マンチェスター・ユナイテッドはライアン・ギグスのサイン入りユニフォームを贈って誘い、チェルシーからはモウリーニョ監督(当時)が家族全員に施設を見学するよう招待してきたという。

 また同じインタビューでベン・アルファは、たびたび批判される「個人プレー」について語った。「僕がドリブルをしすぎるとよく批判を受ける。選手がチームのために尽くさなければいけないのは知っている。でも個人プレーに対する批判がいつも正しいわけじゃない。いまの僕がやるべきなのは、どこでドリブルをすべきか、どこですべきでないかを学ぶことだ。批判はときには受け流さなくてはならない」と答えている。

 3日付のレキップ紙には、「型にはまりたくない。上達するためには変わっていかなければならない。だからといって、いまの自分を否定するつもりはない。自分のプレースタイルと個性は守りたい。偉大な選手になるためだ」と語っている。ビッグクラブからの誘いについては、「いまはここ(リヨン)がいい。出るとしたら、ものすごく力をつけてからだ」と慎重だが、その反面「もし(移籍が)上達につながるなら、オープンでありたい」と欲ものぞかせる。

 プレーの“成熟度”では7ヶ月若いベンゼマのほうが上というのがもっぱらの評価。しかしベン・アルファには、荒削りな分だけ大一番でとてつもない働きをする期待もかかる。4日はいよいよチャンピオンズリーグ8強入りがかかる対マンU第2戦だ。前戦はディフェンシブなフォーメーションのためベンチ・スタートで悔しい思いをしたベン・アルファ。その後リーグ戦2試合ともスタメンを外れている。しかしベンゼマとの交代で途中出場した1日のリール戦ではいい動きを見せた。4日は、数々の伝説を生んだオールド・トラフォードで、ベンゼマとの絶妙なコンビぶりを存分に発揮し世界を刮目させてほしいところだ。

・[選手名鑑]ハテム・ベン・アルファカリム・ベンゼマ - あなたの評価は!?