ジェノアのFWマルコ・ボリエッロは、前節ナポリ戦で今季16点目をあげ、トレセゲ(ユベントス)を抜いてセリエA得点王レースの単独トップに躍り出た。誰も想像していなかったスーパー・サプライズである。何しろイタリア国内でのボリエッロ評といえば、サッカー選手へのそれではなく“イケメンで女たらし”“自分に酔うナルシスト”としての評判の方が定着していたくらいなのだ。

 女たらしとしての彼のイメージを決定的にしたのは、昨季のローマ戦後に起きた事件だった。ドーピング検査で副腎皮質ホルモンが検出され、彼は長期出場停止に追い込まれたのだが、その際、ブロンド美人の恋人ベレン嬢が処分軽減のために発言した弁護コメントがすごかった。

「私のせいなんです。私が女性器感染症にかかっていて、その治療のために(ホルモン剤入りの)ぬり薬をつけたまま、ナマでセックスしたから」

 もちろん、そんな理由で処分が軽減されるわけがない。“その他大勢のFW”にすぎなかったボリエッロは国中の失笑と嘲笑を浴び、ちがう意味で一躍有名になってしまった。
 しかし、そんな彼も数年前まではU21イタリア代表でレギュラーを張り、パトはおろかジラルディーノを獲得する前からミランの未来を託されていたのである。(続く)

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