フランス通信(AFP)によると、 マンチェスター・ユナイテッドのアレックス・ファーガソン監督が2月29日、チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦の対戦相手リヨンに対する“謀略工作”の噂を否定した。

 20日の1回戦第1試合(リヨン)の前日、ファーガソン監督は英地元紙に、ベンゼマの才能を称え、「マンU入りもあり得る」とコメントした。リヨンのオラス会長は、これを聞いて「ベンゼマの心を乱すための作戦」と受け取り、激怒したという。

 ベンゼマがファーガソン監督の発言に“かく乱”されなかったことは、あの先制ゴールを見れば明らかだ。一流の選手が大事な試合を前にして、その程度のことで動揺するわけがなかろうと考えるのが普通。むしろオラス会長のほうが“何かを企んでいる”と考えられがちな人物だ。

 思い出してみれば、ほぼ1年前、オラス会長自身が“謀略工作”の疑いをかけられて非難されたことがあった。昨シーズンの冬の移籍期間に話題になったフレデリック・ピキオンヌの一件だ。リヨンは当時サンテティエンヌのエースストライカーだったピキオンヌにオファーを提示した。しかし、サンテティエンヌ側からすればとても応じられないほど移籍金の額が低かった。サンテティエンヌの経営陣は、上位のライバルチーム(リヨンは首位、サンテティエンヌは4位だった)を追い落とすための「かく乱」と判断し、オラス会長を激しく非難した。

 たしかにこのときは、ピキオンヌがサンテティエンヌでの年俸に不満を抱いていたため、“効果”はあった。リーグのトップクラブから誘いを受けたピキオンヌの心は確かに揺れ、チームから気持ちが離れてしまった。サンテティエンヌ経営陣がリヨンには絶対に渡さないと頑張ったために、移籍先はモナコに落ち着いた。エースを失ったサンテティエンヌは結局11位でシーズンを終えている。

 さて今回のファーガソン監督は、オラス会長の“過剰”反応に対し、「不要な論争」と一蹴している。「質問をされたら正直に答えるのは当たり前だ。だから、(ベンゼマだけでなく)ジュニーニョはいい選手だとも言ったし、トゥララン、ベン・アルファについても同じように言った」と語っている。

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