レキップ紙によると、リーグ・アンのメッスが3月1日にカーンを迎えて行うホームゲーム(第27節)で、人種差別反対のキャンペーンを行う。キックオフの前にメッセージが読み上げられるほか、選手はスポンサーのロゴがいっさい入っていない「人種差別にノン」というフレーズのみがプリントされた真っ白なユニフォームでプレーする。

 メッスがこうしたアクションを行うきっかけには、その前のホームゲーム、2月16日のバランシエンヌ戦(第25節)で、メッスのサポーターが相手チームのモロッコ人選手に人種差別的な野次を飛ばし大きな問題に発展したことがある。執拗な野次を受けたバランシエンヌの主将ウワドゥは、ハーフタイムになって観客席まで上がり、差別発言の張本人に直接説明を求める行為に出た。

 ウワドゥは、冷静に話をしに行っただけでまったく手は出していないが、この行為で主審から警告を受けた。選手たちからは野次の主だけでなく主審に対しても抗議の声が上がり、マスコミも「ウワドゥ事件」として大きく取り上げた。

 人種差別発言をしたとされる37歳の男は書類送検されている。ウワドゥも告訴を行った。27日には、男に3ヶ月間のスタジアム立ち入り禁止処分が下った。また、ラポルト・スポーツ担当相も事態を重く見て、「人種差別事件が発生した場合は、試合を中止すべき」と勧告を行っている。

 フランスでは今シーズン、サポーターによる人種差別的な言動が目立っている。最下位を“独走”し、来季の降格が決定的なメッスでは、とくにそれが顕著だ。もちろんフランスのみならず、欧州のほとんどの国でサポーターの人種差別行為が社会問題化している。