27日のドイツ杯準々決勝で、延長戦の末1860ミュンヘンを1―0で下したバイエルン・ミュンヘン。この試合のヒーローは何と言っても決勝ゴールをあげたフランス代表MFのフランク・リベリだ。

 決勝点は延長ロスタイムに得たペナルティーキック。リベリはこれをきっちり決めたが、味方選手がペナルティーエリア内に走り込んだのが早く、キックはやり直しに。2度目はプレッシャーがかかるところだが、リベリは大胆にもW杯決勝におけるジダンばりのパネンカ(ループシュート)を決めてみせた。

 リベリの“心臓”には、GKとして幾多のPKを経験してきたベテランのカーンも舌を巻く。フランス通信(AFP)によると「あんな選手は他になかなかいない。彼がどんな状況にいたか、よく考えてみるといい。あの場面で緊張は極に達している。それで彼は何をしたか? なんとゴールのど真ん中にループを浮かせた。これは伝説的だよ」と興奮気味に語ったという。

 リベリは今シーズン前にブンデスリーガ史上最高の移籍金で、マルセイユからバイエルンにやってきた。スピードと闘志にあふれるプレーで、すぐにチームきっての人気者になったが、主将のカーンは面白く思っていなかったところがある。チームが不振に陥った12月には、「新入りの選手たちはまだバイエルンが求めるレベルに達していない。ここはマルセイユじゃない」と厳しい“リベリ批判”を展開した。しかしこのエピソードも、もはや完全に過去のものとなったようだ。

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