リバプールの共同オーナーを務めるトム・ヒックスは、英国メディアで報じられているクラブ売却の噂を全面的に否定した。

 リバプールの所有権を50%保有するヒックスは、買収に興味を示すドバイの政府系投資会社であるドバイ・インターナショナル・キャピタル(DIC)との接触を完全否定。DICとの“買収合戦”を制し、2007年2月に共同オーナーのジョージ・ジレットとともにクラブを手に入れたヒックスだが、再び買収に興味を示し始めたDICの視察に応じたという報道については、「全くのデタラメ」と語っている。

「クラブ売却の噂に加え、私がDICにクラブの経営状況を視察させたとも報じられているが、これらの報道は全くの嘘だ。私はオーナーとしてだけでなく、個人的にもクラブにコミットしている。サポーターの期待を裏切るようなことはしない。クラブの将来を輝かしいものにするべく、私はこれからも全力を尽くすつもりだ」

 しかし、共同オーナーのジレットがすでにDICと接触し、売却に向けて前向きな姿勢を示していると報じられるなど、リバプール売却に関する噂は後を立たない。この状況にリバプール・サポーターも苛立ちを隠さず、両オーナーへの風当たりは日増しに強くなっている。23日のミドルスブラ戦後に地元のパブを訪れていたヒックスの息子がサポーターと口論を交わした挙句に店を追い出されるなど、両者の信頼関係は崩壊寸前だ。プレミアリーグで苦戦を強いられているリバプールは、ピッチ外でも再び難題を抱えることになってしまった。