カッサーノ自身もマドリーに帰るつもりはない。インテル戦の前には「サンプのため、サポーターのために、年俸(420万ユーロ)の20%をカットしてもいい」と公言した。

 幾多の監督たちを困らせてきた奔放な性格は、いくらか直ったのだろうか? ダービーでは試合終了の笛とともに、スーツで決めた指揮官へ無礼講だとばかりにペットボトルのシャワーをこれでもかと浴びせた。インテル戦でもゴールの後に「してやったぜ」とばかりに、人差し指と小指を立てる挑戦的なジェスチャーを見せた。まだ25歳、茶目っ気は忘れていない。

 カッサーノはシーズン終了後のユーロへ向けて、イタリア代表招集の当落線上にいる。4年前のポルトガル大会で見せた涙を覚えている人も多いだろう。
“マンチョ”と呼ばれ愛されたかつてのアイドル、マンチーニ(現インテル監督)の後継者をドリアーノたちはついに見つけたのだ。もし招集から外れることがあれば、彼らは代表監督ドナドニを許さないだろう。

・[選手名鑑]アントニオ・カッサーノ - あなたの評価は!?