バルセロナのFWサミュエル・エトーがカメルーン代表への合流の遅れが認められたことについて、アフリカ・ネーションズ・カップのため通常通り選手を各国代表に送り出した他のクラブから不満の声が上がった。MFマアマドゥ・ディアッラをマリ代表に送り出したレアル・マドリーのシュスター監督は、「地位の違いだろう。エトーはカメルーンの王様で、ディアッラはまだマリの王様ではないからね」と皮肉っている。

「彼の国におけるエトーの重要度は、私の選手やカヌーテ(セビージャ)、他の選手よりもずっと高いという差の違いだろう。彼には影響力があるし、代表の監督よりも決定権を持つ会長の近くにいられる。我々のケースとは違う」。

 国における地位の差を強調し、エトーの特別待遇にそう皮肉を込めたシュスター監督。貴重な戦力を持っていかれた監督としては、この待遇の差に皮肉の一つでも言いたくなるといったところだろうか。

 そのエトーだが、9日に行われたスペイン国王杯、対セビージャ戦にスタメン出場し、85分にベンチへと退いた。前半24分にアンリのゴールでバルサが先制したが、44分にディエゴ・カペルのゴールで同点に追いつかれ、第1戦を1-1の引き分けとしている。第2戦をホームで行えるバルサにとって若干有利といったところだろう。

(スペイン通信)