アーセナルのFWエマヌエル・アデバヨールが、好調をキープする今シーズンのパフォーマンスについて「昨シーズンの教訓を生かしている」とコメント。ロンドンでの生活の充実ぶりを語るトーゴ代表だが、一方で今後の去就については明言を避けている。

 長年エースを務めたティエリ・アンリが退団し、攻撃力の激減が心配された今シーズンのアーセナル。しかし、その穴を埋めて余りある活躍を見せているのが、アーセナルで3シーズン目を迎えるアデバヨールだ。オランダ代表のロビン・ファン・ペルシーがシーズン序盤に負傷離脱するなど、苦しい台所事情の攻撃陣を支えるトーゴ代表は、すでにリーグ戦で7ゴールを記録するなど、名実ともにアーセナルのエースストライカーに成長している。そんな現状に、アデバヨール自身も満足の様子だ。

「ロンドンの生活にはとても満足しているよ。クラブにも完全に馴染んだし、自分のプレーにも誇りを持てるようになった。シーズン前の休暇中に、自分自身に言い聞かせていたんだ。『得点力に磨きをかけろ』ってね。昨シーズンの出来が悪かったとは思わないけど、チャンスで外したシーンもあったから。過去のミスを教訓に、今シーズンはゴールを決めることが出来ているよ」

 ロンドンでの生活に何の不満もないと語るアデバヨールだが、今後のキャリアについては先が読めないともコメント。レアル・マドリーなどのビッグクラブが巨額のオファーを提示すれば、移籍する可能性もあると語っている。

「フットボールの世界では何があるか分からないからね。ポジションが保証されることはあり得ないよ。アーセナルとの契約には満足しているし、サラリーにも文句はない。ロンドンでの生活は本当に素晴らしいよ。でも、今後どうなるかなんて分からない。レアル・マドリーが1億ポンド(約227億円)のオファーを提示してくれば、アーセナルも僕を放出したくなるかもしれない。アーセン・ベンゲル監督が放出を決めてしまえば、僕にはどうすることも出来ないからね」

 190センチの長身と卓越したボールコントロールでアーセナルの攻撃陣を牽引するアデバヨール。今や大黒柱の風格すら漂うトーゴ代表だが、その去就については微妙な発言に終始した。好調を続けるアーセナルでシーズンを通じて活躍を続ければ、来夏の移籍マーケットで欧州のビッグクラブがこの長身FWの獲得合戦を繰り広げる可能性はますます高くなるだろう。