ユーロ2008本大会出場を賭けて21日にクロアチアと対戦するイングランド代表。17日の試合でライバルのクロアチアとロシアが揃って敗れたことから、引き分け以上の結果を残せば予選突破が決定する。しかし、現在スティーブ・マクラーレンが務める監督の座を巡っては、いまだ様々な憶測が渦巻いている。

 21日の試合で予選突破を決めた場合、イングランド・サッカー協会(FA)はマクラーレン体制でユーロ2008本大会を迎えることがほぼ確実と言われている。しかしながら、不安定な戦いぶりで予選敗退の危機を迎えたマクラーレンの采配に疑問を抱く声は大きく、解任論が収まる気配はない。

 そんな中、マクラーレンの後任候補として名前の挙げられている監督2人が揃ってコメントを発表。ともに、イングランド代表監督就任を「単なる噂」と語り、就任の可能性を否定している。

 現在、マクラーレンの後任候補として名前が挙がっているのが、アストン・ビラで監督を務めるマーティン・オニール監督だ。2006年ワールドカップ終了後に辞任したスベン・ゴラン・エリクソン監督の後任候補として、FAとの話し合いに臨んだこともあるオニール。しかし、北アイルランド出身の知将は、マクラーレンの采配を評価していると語り、噂に耳を傾けるつもりはないと語っている。

「噂について憶測を巡らせても仕方がない。正確な情報が分かれば、それに応じて対応する。私にできるのはそれだけだよ。それに個人的には、現在のイングランド代表のパフォーマンスを非常に高く評価しているんだ」

 さらにオニール同様、イングランド代表監督就任の可能性を否定しているのが、ウェストハムのアラン・カービッシュリー監督だ。前職のチャールトン時代にその手腕が高く評価されてイングランド代表監督の候補に挙げられたこともあるカービッシュリーは、ウェストハムとの契約の中に条件次第で退団を認めるとの条項が含まれていると一部メディアが報じたことについて、その噂を完全否定。ウェストハム以外で指揮を執るつもりがないと明言した。

「チャールトン時代には、契約の中に退団を認める条項が含まれていた。だから、FAと話し合いの場を設けることも認められた。しかし、今の契約の中には、そういった条項は含まれていない。いずれにしても、私はイングランド代表監督に就任するつもりはない。今はウェストハムで成功することしか考えていない」

 21日のクロアチア戦後、イングランド代表監督の座を巡る憶測が再燃することは間違いない。ユーロ2008本大会出場が決定すれば、マクラーレンの続投が有力とされているが、燻り続ける解任論にFAはいかなる決断を下すか。すでに2人の候補から就任を拒否されたFAは、難しい決断を迫られることになりそうだ。