13日付の「ル・パリジャン」紙にフランス歴代最多の代表キャップ134を誇るリリアン・テュラム(35)のインタビューが掲載された。

 ユーロ2008予選の突破がかかるウクライナ戦を21日に控えるフランス代表。17日のスコットランド対イタリア戦の結果によっては、フランスがもしウクライナに負けるようなことがあると、本大会に出場できなくなる。故障のビエラに代わってこの重要な一戦のキャプテンを務めるテュラムは、「ウクライナ戦が私の冒険の最後になるかも知れない。もちろん一個人としての考えだが、ユーロに出場できないとなれば、チームの立場から見てもそうなる」と語った。

 予選敗退の場合はウクライナ戦が最後の試合になるということですね、と確認されたテュラムは、「その通り。もしユーロに出場できなければ、それで終わりだ」と答えている。

 もしフランスが本大会への出場を決めた場合は、テュラムに代表のユニフォームを脱ぐ意思はない。ただし、「出場できれば、自分にとって最後の大会になるだろう。しかしいまのところ、予選を突破したわけではない。だからそのことは考えない。私にすれば、まだ本大会は存在していないんだ」とあくまで目前のウクライナ戦が最後になる可能性を意識しながら臨む構えだ。

 インタビューでテュラムは、これからのフランス代表メンバーについても語っている。自身の後継者については、「メクセスはいい選手だ。彼が自分の後継者になると言っているわけではないが、彼には才能がある」と話した。メクセスと同様、今回ドメネク監督の選から外れた元チームメイト(モナコ、ユベントス)のトレゼゲについては、「自分のキャリアで出会った中でもっとも重要な選手のひとり」と評している。ベンゼマ、ベン・アルファ、ナスリといった若手の台頭に関しては、「あの年齢(19〜20歳)でやっていることがすごい。アンリ、トレゼゲ、アネルカがそうだったように、若くして成功している。私が彼らに望むのは、10年後も活躍していることだ。つまり、よく練習を積んで、自分を正しく問い直すこと。自分が世界で一番と思っている選手は最前線に残れない」との考えを示した。

 ベンゼマ世代が生まれて間もなくプロデビューしたテュラム。年が明けると36歳になる。18年間におよんでトップレベルで活躍してきた秘訣を問われると、「選手でいる喜びを感じ続けるには、つねに試合に出られるような身体のクオリティを維持しなくてはならない。これは基本だがもっともむずかしい。レベルを維持するのは、絶えざる闘いだ」と答えた。「自分との闘い」につねに勝ってここまで来たと胸を張るテュラムだが、もちろん「いつか敗れるときが来る」ことも意識している。しかしそれが1週間後のウクライナ戦にやって来ることなど、誰もが望んでいないだろう。