リーグ・アン第14節でもっとも注目を集めたカードは11日のリヨン対マルセイユの一戦。昨シーズンの上位2チームの対決となったが、リヨンが順調に首位を走っているのに対し、マルセイユは前節まで19位とまるで元気がない。

 ところがこの試合のマルセイユは違った。前半7分はやくもディフェンスのクリアミスから先制点を献上したものの、ワントップのママドゥ・ニアン(セネガル代表)がフル回転の活躍、失点の3分後にペナルティーで同点ゴール、前半42分には逆転弾を叩き込んだ。マルセイユはその後も猛攻をよくしのいで2―1で勝利、リヨンの連勝を5で止め、順位を17位にあげた。

 この試合でリーグ・アン200試合出場を記録したベテラン、リヨン主将のジュニーニョ・ペルナンブカーノは通算64ゴール目となる先制点をあげたものの、ホームで今季初となる敗戦を喫した。試合後カナル・プリュスのインタビューに「双方がいい試合をした。ただ、マルセイユには最前列でニアンが、最後尾でマンダンダが素晴らしい活躍をした」と相手に脱帽という表情で淡々と語った。

 敵の主将が素直に称えざるを得なかったように、マルセイユの守護神スティーブ・マンダンダは、リヨンの攻撃陣が枠内に放った8本のシュートをことごとく止める大活躍。レキップ紙から8点と採点され、2得点のニアン(8.5点)に次ぐ高い評価を受けた。今季からマルセイユに加入し、負傷した正GKカラソに代わって出場するようになってまだ10試合。ジュニーニョの200試合にはとうてい及ばないが、今後の活躍が楽しみな逸材だ。

 この試合がこれまでのキャリアでベストと思うか、とレキップ紙に問われたマンダンダは、「わからない。そういうことは考えない。この試合もほかの試合と同じようにとらえている。重要なのはいつでも次の試合だ」と22歳とは思えない落ち着きで答えている。