マンチェスター・シティのスベン・ゴラン・エリクソン監督が、今冬の移籍マーケットで大型補強を敢行する構えを見せている。そのターゲットとして、トッテナムのFWディミタール・ベルバトフとGKポール・ロビンソンの2人の名前が浮上しているようだ。

 今シーズンから指揮を執るエリクソンの下、好調なスタートを切ったマンC。新オーナーに就任したタクシン・シナワット元タイ首相の資金力をバックに、マンチェスター・ユナイテッド、アーセナル、チェルシー、リバプールが形成する4強の牙城を崩す存在として注目を集めている。さらにタクシン・オーナーはエリクソンに対し、更なる補強資金の捻出を確約。そこで、エリクソンが目をつけたのが、トッテナムのFWベルバトフとGKロビンソンのトッテナムコンビだと言うのだ。

 昨シーズン、トッテナムに加入したベルバトフは、1年目ながら12ゴールを記録するなど、トッテナムの攻撃陣を牽引する存在に。今夏にマンU移籍が噂されながらもトッテナム残留を決意して迎えた今シーズンはさらなる飛躍が期待された。しかし、開幕直後から低迷を続けるクラブの中で本来の実力を発揮できず、2年目のプレミアで苦しいシーズンを過ごしている。先日解任されたマルティン・ヨル前監督との確執も伝えられたベルバトフは、新監督のファンデ・ラモスから「移籍を望むなら止めない」と移籍容認発言を突きつけられるなど、その去就は連日メディアを賑わしている。そんな状況にベルバトフ本人も、周囲に移籍の希望を漏らしていると言われており、実兄のアセン・ベルバトフ氏は「ディミタールはチャンピオンズ・リーグに出場するクラブへの移籍を希望している」と、このブルガリア代表FWの気持ちを代弁している。さらに、マンC関係者は「ベルバトフは必要とされるクラブでプレーしたがっているようだ」との情報を掴んでおり、獲得の可能性を感じているようだ。

 一方、「トッテナムのナンバーワンは僕だ。移籍するつもりはない」と語り、移籍の噂を否定しているロビンソン。しかし、トッテナムとインクランド代表の双方でミスが目立つロビンソンの状態を危惧するラモス監督は新守護神の獲得に動いていると言われており、移籍市場の動向次第では出場機会を求めて移籍を決断する可能性も十分にある。

 トッテナムコンビに加え、インテルのFWアドリアーノやリバプールのMFハビエル・マスチェラーノなどもリストアップしていると言われるエリクソン。今シーズンのプレミアリーグで旋風を巻き起こしているマンCは、ビッグクラブに負けない大型補強でさらなる大躍進を視野に入れているようだ。