毎年世界中が注目する「バロンドール」賞発表が、来月2日に迫った。仏誌「フランス・フットボール」が定める同賞には厳格な審査が求められるが、その選考の舞台裏はどうなっているのか。唯一のイタリア人審査員を務める「ラ・スタンパ」紙の重鎮記者ロベルト・ベッカンティーニ氏が審査の肝を語った。

「賞の母体である『フランス・フットボール』誌は審査の基準として“対象シーズンの活躍度”の他に“総合的キャリア”、“才能性、フェアプレー精神、人間性”を掲げている。
『バロンドール』とは、一種の“騎士勲章”のようなものだ」

「バロンドールは個人に与えられる賞だが、サッカーがチームスポーツであることを無視することはできない」とも言う同氏に対して所属クラブからの圧力はないのか、という疑問が湧く。現代サッカーは一大ビジネスだからだ。「20年近く審査に関わってきたが、クラブからの圧力はなかったし、そんなものは意味をなさない」と断じた。

 では同賞審査員にとって「授賞に値する理想の選手」とはどんな選手なのか。この栄誉を得る具体的な条件とは一体何なのか? <続く>