3日のプレミアリーグでブラックバーンと対戦したリバプールは、決定的なチャンスを数多く作りながらも0-0のドローで試合を終えた。この結果、順位を7位にまで落としたリバプールのサポーターは、イングランド代表FWピーター・クラウチを起用しないラファエル・ベニテス監督の采配に苛立ちを募らせているようだ。

 ケガでFWフェルナンド・トーレスを欠くベニテス監督は、FWディルク・カイトを1トップに起用する布陣を採用。しかし、チャンスを作りながらも得点を奪えないチームに対し、ブラックバーンの本拠地イーウッド・パークに乗り込んだリバプールは、前半からクラウチの名前をコールし続けた。しかし、ベニテス監督は63分にケガ明けのMFハリー・キューエルを投入する交代策を決断。クラウチを投入したのは、それから10分後だった。それでも残り20分足らずの時点で投入されたクラウチは、自らのシュートがゴールライン上でクリアされる場面など、数多くの決定機を演出。試合はスコアレスドローに終わったが、この長身FWはその価値を証明した格好となった。

 しかし、試合後のベニテス監督は、キューエルを先に投入した自らの采配について、次のようにコメント。その発言は、クラウチのスタメン起用を当面は見送ることを示唆している。

「ブラックバーンとの対戦はいつだって厳しい試合になる。しかし、勝ってもおかしくないくらいのチャンスは作り出したと思う。キューエルを先に投入したのは、もっとピッチをワイドに使うべきだと感じたからだ。クラウチを効果的に使うにも、サイドから効果的なクロスを入れる必要があるからね。今シーズンのプレミアリーグでは、何試合も連勝を続けるのは非常に難しい。それだけチーム力が拮抗しているからね。とにかく、シャビ・アロンソとダニエル・アッゲル、そしてフェルナンド・トーレスが帰ってくるまで、なるべく上位から離されないようにしたい。クラウチについては何の心配もしていないよ。ハードワークを続けているし、交代では入ればしっかりとチャンスを作ってくれているしね」

 今シーズンもローテーション起用を続けるベニテスだが、FW陣の序列は明確だ。サポーターに加え、キャプテンのジェラードも起用を望むクラウチだが、いまだ第4FWの扱いからは抜け出せていない。一部メディアでは監督批判も伝えられ、1月の移籍マーケットでの退団も噂される長身FWの去就は、今後リバプールとベニテス監督にとっての大きな火種となる可能性は十分にある。