[本日の一品]「暗ければ回せばいい」電池いらずで光を作る、重さ22gの“指先発電”ミニライトが新鮮で楽しい
最近、筆者はなぜか黄金糖カラーの小さなテクノロジーガジェットにハマっている。先日某誌で紹介した電卓腕時計に続いて手に入れたのが、今回の「手回し式自己発電ハンドヘルドライト」である。
地震や豪雨、停電などはいつどこで遭遇するか分からない。スマートフォンもモバイルバッテリーも電気がなければ、いずれはただの箱になる。そんな時代だからこそ、最後は自分の指先さえ動けば光を作れるという、極めて原始的でありながら確実なガジェットを鞄に一つ入れておくのも悪くない。
指先パワーで蓄電して小さなボタンを押せばLEDが点灯する
今回AliExpressで約1500円で購入したのは、琥珀色というより筆者にはどうしても黄金糖に見えてしまう半透明ボディの超小型ライトだ。本体の大きさは、実測で約13.5×17.5×63mm。重さはわずか22gで、単3乾電池と並べると、その小ささがよく分かる。
黄金糖と電卓腕時計まで並べると、筆者の最近の好みがバレてしまう
半透明ケースの内部には、発電機、蓄電部、基板、LEDなどが隙間なく収まっている。22gとは思えない妙なソリッド感があり、つい手に取ってニギニギしたくなるガジェットだ。
単3乾電池との比較。わずか22gのボディに発電から蓄電、発光までを内蔵
使い方は拍子抜けするほど簡単だ。頭にあるギザギザのツマミを指先で回す。それだけである。回転は内部の小型発電機に伝わり、そこで作られた電気が蓄えられる。
このツマミを指先で回す。回転時のヌメっとした重い指先感覚が癖になる
手回し発電そのものは新しい技術ではない。筆者の手元にも、非常時を想定したソニーの古い手回し充電ラジオがある。
ソニーのICF-Bシリーズなども、ハンドルを回して内蔵充電池を充電し、乾電池がなくてもラジオやライトを使える仕組みを採用してきた。現在のICF-B99では手回しだけでなくUSB ACアダプターや太陽光からの充電にも対応している。
巨大なご先祖様!? ソニーの手回しラジオと並べると小ささが際立つ
そもそも発電機とモーターは、かなり近い親戚だ。乱暴を承知で文化系的に言えば、電気を入れて軸を回すのがモーター、逆に軸を回して電気を取り出すのが発電機である。
昔、自転車のタイヤにローラーを押し付けて点灯させた「ダイナモライト」を覚えている読者も多いだろう。人間の脚で車輪を回し、その回転で発電する。水力発電なら高い場所から落ちる水がタービンを回し、風力なら風が羽根を回す。
そしてこのminiライトでは筆者の指がツマミを回す。スケールと回す犯人が違うだけで、回転という運動エネルギーから電気を取り出す基本思想は同じだ。そしてこの小さなヤツには、もう一つ面白い役者が隠れている。
半透明ケース越しに「KAMCAP」「5.5V」の文字が見えるスーパーキャパシターだ
丸い部品を接写すると「KAMCAP」と5.5Vの表記が確認できた。蓄電を担当するスーパーキャパシターである。
一般的な充電池とは仕組みが異なり、急速な充放電や多数回の充放電を得意とする蓄電デバイスだ。実際、スーパーキャパシターを組み込んだ手回しライトは、研究紹介の実演例にも使われている。
つまりこいつは、
指 → 回転 → 発電機 → 電気 → スーパーキャパシター → LED
という小さなエネルギー変換工場なのだ。
数回ツマミを回すだけでもLEDはすぐ点灯。暗所では十分頼りになる
実際に使ってみると、2~3回クルクル回しただけでもボタンを押せばLEDは点灯する。
10~20回ほど回して放置したところ、筆者の個体では翌日になってもボタンを押すと普通に点灯した。これはメーカー保証値ではなく、あくまで筆者の実機での体験である。
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指先で発電してその場で点灯。発電から利用までが見えるのも楽しい
筆者の主用途は大災害への備えというより、もっと日常的だ。夜間の自転車移動やワンコの散歩では首からぶら下げて自分の存在を知らせ、真っ暗な場所でカバンの中を探すときには手元灯になる。電池残量を気にする必要がなく、「暗ければ回せばいい」という単純明快さがよい。
暗い場所でカバンの中を探す程度なら、この小さなLEDでも十分役に立つ
さらにストラップで首から下げれば、22gなのでほとんど存在を意識しない。必要なときだけ発電して光らせる。モバイルバッテリー全盛時代に、こんな原始的な自己完結型ガジェットが逆に新鮮である。
22gなら首から下げても負担はわずか。必要な電気は必要な時に自分で作る
こんな小さな発電所を見ていると、つい次を妄想してしまう。手回しハンドルを収納したミニマムなスマートフォン、あるいは非常時にはリューズをグルグル回して最低限の機能だけ維持できるスマートウォッチなどはできないものだろうか。
もちろんスマートフォンほどの大食漢を人力だけで満腹にするのは現実的ではない。しかし、通信一回、位置情報の送信一回、LED点灯数分といった「最後のひと仕事」のためなら、人力発電とスーパーキャパシターの組み合わせにはまだ夢がある。
電池が切れたら終わりではなく、人間が元気ならまだ電気は作れる。わずか22gの黄金糖カラーの小さな箱は、そんな当たり前のことを思い出させてくれる、筆者専用の「指先発電所」なのである。
商品 購入価格 購入先 手回し式自己発電ハンドヘルドライト 約1500円 AliExpress