東海汽船に使用停止命令「運航会社の不祥事のはずなのに、割を食うのは島民だ」…生活や漁業への影響必至
「運航会社の不祥事のはずなのに、割を食うのは島民だ」--。
伊豆諸島と竹芝(港区)間などで定期船を運航する「東海汽船」(同)に出された一部船舶の使用停止命令。島民からは同社への憤りや生活を案じる声が上がった。
2日夕、港区の島嶼(とうしょ)会館前で取材に応じた八丈町の山下奉也町長は、「島々にどのような影響が出るかを考え、住民生活を最優先にどんな措置が必要か検討したい」と述べた。同社には「公共交通機関としての責任を持って、安全を心がけてもらいたい」と求めた。

国土交通省の発表によると、使用停止になるのは、伊豆諸島で運航されている5隻のうち大型客船など3隻で、期間は9日からの20日間。大型客船は最大約1000人を収容でき、食料品や生活物資も運搬しているため、島民に影響が出るのは必至だ。
神津島村から鮮魚を船で出荷している仲買業の松本猛さん(52)は、「村全体の漁業に影響が出るのは間違いない」と危機感を募らせる。松本さんは村で唯一のスーパーも営んでおり、「東海汽船に対する処分といっても、結局一番困るのは島民だ」と語気を強めた。
同村で運送会社を営む清水和人さん(55)は、「船で届く薬が頼りの人もいる。貨物が来る頻度が減り、不安しかない」と話した。
小池知事は2日の定例記者会見で、「離島航路は極めて社会的使命が高く、処分は本当に遺憾」と強調。東海汽船には「何を優先すべきなのか、どう行動するか、この処分でしっかり考えて対応してほしい」と述べた。
都は同日、▽安全管理体制の再構築▽停止期間中の旅客・貨物輸送に必要な代替船の確保▽利用者への丁寧な対応--などを徹底するよう同社に文書で求めた。さらに、監査を担った同省関東運輸局(横浜市)と「改善改革推進会議」を設置し、15日に同社も参加した初会合を開く。今後、再発防止策の実施状況などを定期的に確認するという。
