【凱旋門賞】武豊騎手メイショウタバルに調教初騎乗で闘魂注入!! 「戦闘モード」で日本競馬界悲願の凱旋門賞Vへ
◆凱旋門賞・仏G1(10月4日、パリロンシャン競馬場・芝2400メートル)追い切り=9月30日、シャンティイ調教場
JRA海外馬券発売対象の第105回凱旋門賞・仏G1(日本時間10月4日、パリロンシャン競馬場)で日本競馬界悲願の初制覇を目指すメイショウタバルが30日、シャンティイ調教場のレゼルボアの芝コースで馬なりのまま5馬身抜け出す絶好の動き。初めて調教の手綱を執った武豊騎手(57)=栗東・フリー=は「戦闘モード」と好感触を得た。自身12度目の挑戦となる世界最高峰のレースへ思いをぶつける。
ラストピースがはまった。夜が明けて、だんだんと白んできたパリ近郊にあるシャンティイ調教場。メイショウタバルが武豊を背に、同調教場内にあるレゼルボアの芝コースに現れた。“ユタカ・タケ”の騎乗馬の注目度は高く、フランスギャロ主催の見学ツアーには、国内外のメディア約50人が集まった。
滞在している当地の小林智厩舎の馬をぴたりと追走。1400メートル地点から軽やかに走り始めた。残り800メートル付近で馬体を併せ、徐々に加速。軽く手綱を動かされると、体を大きく使ったフォームに変わり、豪快に約5馬身先着した。
武豊とメイショウタバルのコンビは7戦目だが、調教騎乗は初めて。鞍上は「ギャロップの段階から、思ったより戦闘モードに入っているなという感覚だった」とタバルの闘志を感じ取った。走りに関しても、「強く追うこともなく、馬が走ってくれた。改めていい馬だなと思いましたし、動きもすごく良かった」と満点評価だ。
石橋調教師が武豊を乗せた意図はタバルへの“闘魂注入”。1週前追い切りは本番と同じパリロンシャン競馬場で行ったが、その動きを映像で確認し、物足りなく感じたためだ。最終追い切りは間近で見届け、「乗った瞬間、僕が見た限りピリッとした」と納得の表情。「かなり先週より動けていたので、うまくいったなと思いました」と作戦成功に安堵した。
武豊にとって12度目の凱旋門賞。節目のデビュー40年目の今年は、特別な意味を持つ挑戦だ。タバルを管理する石橋師は幼なじみで、騎手としても2期先輩。「メイショウ」の亡き先代・松本好雄さんや生産者の三嶋牧場は、父で元騎手、元調教師の邦彦さんの代から親交が深い。その相棒は今年、史上3頭目となる宝塚記念の連覇を達成。胸を張ってパリに乗り込む。
ホワイトマズルでの初騎乗から32年。57歳になった今も、G1最年長勝利記録の樹立にJRA、地方、海外を含めた通算5000勝への到達など、一線級を走り続けている。「好きな競馬を何十年もやっていると、40年が過ぎていた。ただ、この凱旋門賞というレースも、私のモチベーションの一つになっています」。誰よりも、“凱旋門賞ジョッキー”の称号への思いはいちずだ。
地元フランスの昨年覇者ダリズ、G1・4勝の英国牝馬カルパナなど、欧州の一流馬がそろう一戦。これまで日本陣営が何度もはね返されてきた分厚い壁を、日本競馬のレジェンドがぶち破る。(水納 愛美)
◆武豊騎手に聞く
-最終追い切りについて、石橋調教師とどのような話をしたか。
「私も(1週前追い切りを)映像で見た感じ、少し動きが重いのかなという印象がありました。石橋さんと話して『少しスイッチ入れていいよ』と言われました」
-これまで何度も凱旋門賞で騎乗しているが、今でも凱旋門賞は目標のレースか。
「特別なレースですし、ずっと勝ちたいという思いを抱いているレース。今回またこうしてチャンスをもらい、うれしく、誇らしく思い、ワクワクしています」
-今回も、日本と同じように逃げ、先行策をとるか。
「先行していい結果が出ているので、基本的にはそう考えています。ですがレースなので何があるか分からないし、他の馬もいることなので、決めつけないで乗りたい。いろんなパターンを考えて乗りたい」
◆凱旋門賞 世界最高峰のビッグレースで、創設は第1次世界大戦後の1920年。10月1週目の日曜に、パリロンシャン競馬場で行われる重賞。3歳以上の牡馬、牝馬(セン馬にも来年から開放予定)が出走可能。今年の総賞金は500万ユーロ(約9億2081万円=26年JRAレートで換算)で1着賞金は285万7000ユーロ(約5億2615万円)。過去104回の優勝馬はすべて欧州調教馬。日本は延べ38頭挑戦で99年エルコンドルパサー、10年ナカヤマフェスタ、12、13年オルフェーヴルの2着が最高成績。
