練習コートでラリーをする錦織圭(カメラ・古川 剛伊)

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 男子テニスで、今大会が現役最後の公式戦となる元世界ランキング4位の錦織圭(36)=ユニクロ=の1回戦は1日、センターコートの第2試合に入った。相手は同8位のフランシス・ティアフォー(28)=米国=。この日、室内コートで練習し、軽快な動きを見せた錦織の初戦を、吉松忠弘記者が「占う」。

 いよいよ錦織の最後の戦いが幕を開ける。今大会に過去11度出場し、2度の優勝、通算24勝9敗という日本男子最高の成績を誇るテニスの聖地、有明コロシアムが舞台だ。25日に行われた事前会見では「悔いなく終われるようにしたい」と、今大会に向けた気持ちを明かした。

 聞き間違いでなければ、「最後、自分のしたいテニス(をしたい)」という言葉があった。同じ言葉を、8月末の全米予選2回戦後に聞いた。「コーチに怒られる可能性もあるが、自分のしたいプレーを1、2ポイントだけやった。楽しいなあ、いい振りしてるなみたいなのが一瞬あった」

 これこそが錦織の真骨頂だ。フォアを引っぱたき「しばき倒す」。かと思えば、柔らかいドロップショットで裏をかく。代名詞とも呼ばれるバックのダウンザライン(ストレート)は当然だ。それを頭の中で描き、実行に移すとき、錦織は本当に強い。

 相手のティアフォーは、力だけで押してくるタイプではない。大事なところでのパワーサーブはあるが、基本、ストロークを組み立てるタイプだ。第1サーブが入る確率が落ちればチャンスだ。第2サーブは決して強くなく、今年の全米準決勝で敗れたとき、第2サーブの得点率は、わずか23%だった。

 この日、19年全日本覇者の野口莉央と練習した。球をたたく音は芯を食い、きれいな打球音を響かせた。引退を公表し、初めて臨んだ米ワシントン大会1回戦の前の練習と似ていた。その試合はフルセットでの勝利だった。(吉松 忠弘)