ダウンを奪った直後、レフェリーが制止に入るも倒れた相手の顔面へまさかのサッカーボールキックを一撃。王座挑戦目前の実力者が“前代未聞”の反則負けを喫した。放送席からは「ダメ、ダメ、ダメ、ダメ」と声が上がり、ファンからも「サカボまじか」「格闘家失格や」「最悪すぎる」と厳しい批判の声が相次いだ。

【映像】一体、どんな反則だった?(実際の様子)

 9月27日に後楽園ホールで開催された「Krush.192」。石田協(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と那稀(拳心会)の一戦は、石田が左フックでダウンを奪った直後に、横たわる那稀の顔面を蹴り上げ、1ラウンド反則負けという後味の悪い結果となった。

 石田はKNOCK OUTオープンフィンガーグローブ大会での優勝を経て、Krushに復帰。“DARUMA” 健太、ヴィクトル・アキモフに連勝しこの大会でウェルター級王座挑戦が内定していたものの、王者・齋藤紘也の負傷で中止。しかし石田の「試合がしたい」との熱意を受け、九州を拠点にする那稀が緊急オファーを快諾して試合が実現した。

 開始から試合は荒れ模様だった。那稀が鋭いミドルで攻めると、石田も左ストレートで反撃。両者が組み合うと離れ際に石田が右フック、さらにブレイクの声も聞かず再び右フックを放つ。

 試合中盤、那稀が前蹴りから強い右ストレートを放ち石田がグラつく場面。那稀が左パンチ、右ハイと追撃も再びクリンチ。那稀の再三のクリンチにイラついたか、石田がレフェリーのブレイクを無視してボディと顔面に追撃を与える。

 ここで両者火がついたか、那稀が左フック、ショートの連打。返す石田も左フックとバチバチの殴り合い。再びクリンチになると、石田が振り払うようにレフェリーの「ストップ!」のコールを無視して右の追撃。度重なる暴走に、那稀は苦笑いを浮かべる。

 放送席の宮田充Krushプロデューサーは「この試合ちょっとレフェリーが大変だな。さばきが本当に大変ですねこの2人」と、このバチバチの展開にコメントするが、その間も石田が相手の首を掴んでパンチ。さらには頭からいってかわされると後頭部へパンチ。これに那稀が怒りの左ハイと喧嘩マッチの様相が続く。

 ファンも「石田ダーティーだねえ」「荒れてるな」「MMAやったらいいのに勿体ない」など、石田の反則連発に反応するなか、前代未聞の事件が起きる。

「自分自身を見つめ直して精神的にも肉体的にも強くなって必ずリングに戻ります」石田は後日、謝罪

 1ラウンド残り20秒、今度は離れ際に那稀が右ストレート。そして両者の拳が交差し、石田の左フックが那稀を捉えダウンを奪うが、直後に倒れた相手の顔面へまさかのサッカーボールキックを蹴り込んだ。

 暴挙の瞬間、宮田が「ダメ、ダメ、ダメ、ダメ」と叫び、「これは蹴っちゃった…絶対ダメですね。馬鹿だなぁ」、解説の卜部弘嵩も「勿体ないな…」と漏らす。ルール無視の行為にファンも「反則だよ!」「ダメだろ」「ああ、やっちゃった」「サカボまじか」「アホなことした」と呆れた様子だ。

 リプレイでも、相手の顔面へ右足を振り上げる場面が映し出されると会場からも「ああ…」とため息。宮田は「下にある頭を蹴るのは、故意以外の何物でもないですからね」と、偶然ではないことを指摘。実況の波多江良一アナウンサーによる「これが…あれですかねKNOCK OUTの…」と、”オープンフィンガーグローブ戦での癖が抜けきれなかった”とのフォローにも解説陣2人が口を揃えて「いやいやいや」「いや関係ないですよ、そんなものは」と一蹴した。

 キックを貰った那稀はリング中央でグッタリとしたまま、メディカルに囲まれる。審判団から「石田選手の攻撃によって那稀選手がダウンしました。レフェリーがダウンコールをして、石田選手が那稀選手が倒れている状態のところに、追撃を入れてしまいました。その追撃によって那稀選手は試合続行不可能な状態です、石田選手のダウン後の攻撃はルール上反則になります。この試合は反則裁定により那稀選手の反則勝ちとなります」とアナウンス。

 那稀にはストレッチャーが用意され物々しい雰囲気。事の重さを受け止めた石田は俯きながら対戦相手に深々と頭を下げたが後の祭り。ファンからも「格闘家失格や」「最悪すぎる」など厳しい言葉が投げかけられた。

 石田は試合翌日、自身のXを更新。「本日の試合、反則負けとなりました。 1ヶ月前に急遽決まったのに対戦してくださった那稀選手有難うございました。 ダウン直後に追撃を入れてしまった事、那稀選手をはじめ、応援してくださった皆様、関係者の皆さんにご迷惑をかけてしまった事、大変申し訳ございませんでした。 自分自身を見つめ直して精神的にも肉体的にも強くなって必ずリングに戻ります。」と対戦相手やファン、関係者に謝罪したうえで再起を約束している。