ダウンを奪い吠える那須川天心【写真:井上学】

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WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦

 ボクシングのWBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦が27日、トヨタアリーナ東京で行われた。同級1位の挑戦者・那須川天心(帝拳)が王者・井上拓真(大橋)に0-3(111-116×2、113-114)の判定負けを喫した。約10か月ぶりの再戦。世界王座までのあと一歩が遠く、神童は涙を流してボクシングの難しさを口にした。戦績は28歳の那須川が8勝(3KO)2敗。30歳の井上が23勝(5KO)2敗。

 大きな声援を受けてリングに立った。序盤、那須川は距離を取りつつジャブで出方を探る。2回は一瞬で加速した井上の右ストレートを浴びるも、ワンツーで応戦。4回終了時点で、ジャッジ2者が井上を支持する厳しい展開となった。

 一進一退の攻防が続く中、7回はわずかな油断を見せた井上の顔面に左ストレートを炸裂。ダウンを奪った。会場は総立ちで割れんばかりの歓声が響く。ロープ際に追い込んだが巧みなディフェンスを見せる王者を詰め切れず。鋭いカウンターを受けるなど、要所でポイントを奪われた。8回終了の公開採点は1-2。最終12回まで果敢に攻め立てたが、リベンジを果たすことはできなかった。

 那須川は大粒の涙を流しリングを後にした。会見は急遽、控室で行われ「全部出しました。悔しすぎますよね。こんなにやっても無理なのかと非常に思う」と唇を噛んだ。試合結果については「腹も効いていたし、顔もすごく嫌がっていた。本当にボクシングで負けた感じ。ポイントゲーム。負けた気していないんですよ」とやるせない思いを口にした。

 昨年11月以来の再戦。キックボクシング時代から指導を受けた葛西裕一トレーナーと再びタッグを組み、父・弘幸さんのジムにも通った。苦手だった接近戦を強化したが、王者の牙城は崩せなかった。「難しすぎます。倒すだけがボクシングじゃねーんだな。ダメージだけがボクシングじゃない。経験、実力不足です」と話した。今後のボクシングへの向き合い方も「分からない。今は口にしたくないです」と続けた。

(THE ANSWER編集部・澤田 直人 / Naoto Sawada)