今年もAppleの新製品発表の季節がやってきました。9月9日(現地時間)の発表会で登場したラインナップを見て、予想よりはるかに大きなアップデートだと感じました。

今回は発表会が始まる前から買うものを決めていました。iPhone 18 Proと、折りたたみのiPhoneことiPhone Duo。この2台です。

正直、これだけでも相当な負担です。364,800円(税込)からのDuoに、219,800円(税込)からの18 Pro。だからこそ、今年はApple Watchは我慢しようと決めていました。去年のモデルで何も困っていないし、事前の予想ではデザインも変わらずなので大きなアップデートにはならないだろうと思っていました。

ところが、発表会が終わって発売日を迎えた日、手首には新しいApple Watch Series 12が巻かれていました。今回は、その顛末を順番に紹介させてください。

iPhone Duoのヒンジは相当作り込まれている

まずはiPhone Duoの話から。発売は10月23日、予約は10月16日からなので少し先なのですが、今回はApple Showcaseというイベントに招待していただき、実機に触れる機会がありました。

↑iPhone Duoはいろいろな置き方ができる

驚いたのは、ヒンジの作り込みと折り目の目立たなさです。開閉のどの角度でもピタッと固定できる。そして開くとき、少しだけ力を加えると、クッとマグネットが外れるような感覚で開きます。これまでほかの折りたたみスマートフォンを触ってきましたが、この感覚はiPhone Duoにしかないものでした。

↑こういった置き方もヒンジによる自由度の高さのなせる技

ヒンジには100以上のパーツが使われているそうです。数字だけ聞くと「そんなに必要なの?」と思いますが、実際に開閉してみると納得します。この手触りを生み出すために、それだけの部品が必要だったのだろうと。

また、折り目についてもAppleはかなり気を使っていたようです。真正面にiPhone Duoを開いてみた場合、ほとんど折り目は目立ちません。もちろん真っ暗な画面であれば筋のように見えるのは仕方ないですが、画面が付いている状態であればほとんど気にならないといってもいいと思います。

↑正面から見るとほとんど折り目は見えない

これにはAppleの工夫が見えます。

ディスプレイがより高精細に見えるように、表面がツルツルしたグレア仕上げを採用した製品は多くあります。他社の折りたたみスマートフォンもそうです。

ところがAppleは、iPhone Duoの内側のディスプレイに「Nano-texture仕上げ」を施しています。MacBook ProなどでおなじみのNano-textureと同じ考え方で、表面の反射を抑える加工です。グレアに比べると精細感は少し落ちるかもしれませんが、反射が少ないぶん折り目が目立ちにくいというメリットがあります。目にも優しく、長時間見ていても疲れにくいのも利点です。

こういったことはリーク情報だけではわからない、Appleの技術へのこだわり、ユーザー体験へのこだわりを感じます。発表されたときから買うと決めていた製品でしたが、触ったことで、その決断に迷いがなくなり、いますぐ欲しいと感じる製品でした。

iPhone 18 Proは撮影の自由度が増した

iPhone 18 Proは、デザインがiPhone 17 Proシリーズと変わっていないので地味なアップデートと見られがちですが、バッテリー持続時間のアップは普段使いするiPhoneとしては大きな点です。

↑筆者が買ったのはグレイシャーですが、新色のバーガンディもとてもいい色です

また、カメラのアップデートも見逃せません。

これまでのiPhoneのカメラで一番のポイントは、誰が撮っても失敗が少なく、ちゃんと撮れることだったと思います。今年もそこは変わっていません。ただ、そこに可変絞りとシャッタースピードの調整が加わったことで、撮る側の自由度がぐっと増したのです。

↑f1.48 / f1.8 / f2.8 / f 4.0から選べ、自動も設定可能

絞りはf/1.48からf/4まで4段階選べます。背景をどこまでぼかすか、手前から奥のどこまでピントを合わせるかを、自分で決められるということです。

シャッタースピードを遅くして流し撮りをするなど、「こう撮りたい」と意図した写真も狙いやすくなりました。いままで通り失敗少なく撮れるのはもちろんのこと、そのうえで遊べる余地ができた。カメラをより楽しく使うことができるようになったと思います。

写真だけではありません。動画も、撮ったあとからシネマティックのエフェクトを適用できるようになりました。撮影のときに設定を気にせず撮っておいて、あとから仕上げを選べる。これは個人的にとてもうれしいアップデートでした。

なぜ予定にないApple Watchを購入したのか?

ここからが本題です。

冒頭に書いたとおり、今年はApple Watchを見送るつもりでした。iPhone 18 ProとiPhone Duoの2台で十分だろう、そう考えていました。

発表会でApple Watch Series 12を見たとき、最初は「今年も小さな更新かな」と眺めていました。見た目はほとんど変わっていませんでしたから。

しかし、センサーの説明が始まってからは一気に様相が変わりました。

↑センサーが刷新されたので裏側のデザインはまったく変わっている

心拍センサーがまるごと新しくなり、心拍数は5秒ごとに、心拍変動にいたっては前のモデルの最大24倍の頻度で測れるようになりました。これだけセンサーが変わり、取れるデータの頻度も増えるとなると、去年のモデルとは体の見え方が変わってくるはずです。

さらに、音声まわりの機能も加わりました。日本での提供はしばらく先になりますが、会議の音声を録音して、その要約を出すことができるようになるといいます。腕時計にそこまでやらせるのかと思いつつ、こういう機能こそ試してみないと使い勝手がわかりません。

これは試さないわけにはいかない。正直なところ、それが本音です。仕事柄という言い訳もありますが、単純に「どれだけ違うのか自分の体で確かめたい」という気持ちが勝ちました。

iPhone 18 ProとiPhone Duoを両方買うだけでも大変なのに、まさかのApple Watchにも。今回は46mm・アルミニウム・セルラーモデルを買ったので98,800円(税込)がプラスされてしまったわけです。

↑レビューという観点でも見どころのありそうなApple Watch Series 12

それでも、使ってみるとすでに満足感があります。バッテリーの持ちが明らかによくなっているのです。屋外でのワークアウトは前のモデルより25%長く持ち、急速充電も15分で最大12時間駆動できるようになりました。毎日つけている人間にとって、この違いは日々の使い勝手に直結します。つけっぱなしでいられる時間が増えて、その間ずっと体をちゃんと見ていてくれる。見送るつもりだった製品が、「見送れないもの」になっていました。

発表されないとわからないもの

結局、今年はiPhone Duoのヒンジと折り目に驚き、iPhone 18 Proのカメラで遊び、予定になかったApple Watch Series 12まで買いました。

振り返って気づいたのは、自分が「買わない」と決めた根拠は、すべて発表前の情報だったということです。デザインは変わらないらしい、センサーも小さな更新だろう。そうやって組み立てた予想は、実機に触れた瞬間、あるいは説明を聞いた瞬間に崩れました。ヒンジの手触りも、折り目の見えなさも、心拍を5秒ごとに測る意味も、実機を見て、触って、初めて実感できることです。

Apple Storeに行っても同様の体験はできるでしょう。購入を検討している人、あるいは今年は見送ろうと考えていた人にはぜひ店舗を訪れてほしいです。

毎年同じ9月に、同じように発表会があるのに、なぜか毎年ワクワクしてしまう。その理由は、たぶんこれなのだと思います。お財布にはだいぶ痛い9月になってしまいましたが……。

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