【動物推しの“沼”】ラッコは「生きがい」鳥羽水族館に通い詰める男性の情熱に密着 ランチも忘れて撮影に全集中「仕草も表情も豊かで飽きない」
今や「動物」を推す時代!?
今や多くの人が日常的にお金を使う存在となった「推し活」。今年行われた調査*によると、推し活人口は1940万人で、市場規模は約4.1兆円に上っています。
【写真を見る】鳥羽水族館のラッコ「メイちゃん」「キラちゃん」を激推しするラッコらっこさん(59)
アニメ・マンガ・ゲームなどのジャンルが人気*ですが、実は今、動物園・水族館などで推し活を楽しむ「推しアニマル」が広がっているのです。
魅力的な一瞬を逃すまいと夢中で撮影したり、グッズを買ったり…時間を忘れて動物を推す様子は、まるでアイドルのファンさながら。
かわいい動物たちと、その魅力の“沼”にハマったという人たちに密着しました。
*推し活総研「第3回 推し活実態アンケート調査」より 15歳~69歳の2万3125人が回答。
「2週間に1回。多い月だと毎週」鳥羽水族館の“ラッコ沼”に
京都市に暮らす59歳の男性。2年前からSNSで「ラッコらっこ」と名乗り、大好きなラッコの写真を発信しています。
趣味はカメラ。腕を上げるため動物園などで撮影の練習をしていた際、仲間から「ラッコを被写体にしては?」と勧められたことがきっかけで、推し活の“沼”にはまっていったといいます。
「ラッコは仕草も表情も豊かで飽きることがない」
午前6時、三重県の鳥羽水族館に向けて、車で出発します。
(ラッコらっこさん)
「夏休みや冬休み以外の平日で、だいたい2週間に1回。多い月だと毎週」
「ラッコは仕草も表情も豊かで、どれだけ撮っても新しい発見があるので飽きることがない」
推しはラッコの「メイちゃん」(22)と「キラちゃん」(18)です。
1994年には国内28の施設で122頭が飼育されていたラッコですが、国際的な保護や規制もあり、現在国内で飼育されているのは鳥羽水族館の2頭だけとなっています(鳥羽水族館ラッコペディア)。
「元気そうで安心しました」観覧時間は1分…ラッコエリアをループ
午前9時、開館30分前に水族館へ到着。入口にはすでに行列が。
ラッコらっこさんカバンから取り出したのは、ラッコを撮るために買い揃えた機材です。
鳥羽水族館では混雑による事故を防ぐため、開門を待っていた全員をまずラッコの水槽前へ案内しています。
(ラッコらっこさん)
「ごはんタイムは短いときで30分、長くて1時間くらい並びます。(MBSの)カメラマンさんが羨ましい。近くで撮れるなんて」
ただ、ラッコの観覧は1分間という時間制限が設けられていますが、大満足のラッコらっこさん。
(ラッコらっこさん)
「元気そうで安心しました。いきなりかわいい姿が撮れて、朝からすでに満足しています」
見終わった後は、すぐに並び直し。鳥羽水族館に来た日は、ほとんどこうしてラッコの展示エリアだけをループするそうです。
(ラッコらっこさん)
「メイちゃんはどちらかというと天才肌で何でも出来ちゃう子。キラちゃんは真面目にコツコツ努力家で、どんなことも一生懸命やっちゃう。それぞれに良さがあって、どちらも魅力があります」
ラッコグッズも売れ行き上々!
ファンの多い鳥羽水族館のラッコ。館内のグッズショップにはラッコグッズがずらりと並びます。どれも売れ行きは上々とのことです。
(鳥羽水族館・企画広報室 岡粼孝哉さん)
「『パイ&クッキー MAY★KIRA』(1700円)は、月にだいたい3000個売れます。鳥羽水族館で販売している食品の中で最も売れる人気商品です」
また、レストランではメイちゃんをイメージしたカレーが一番の人気メニューとなっています。
「ラッコの魅力が多くの人に伝わっている」
人気ぶりについて、ラッコを担当して9年になる飼育員は「水族館の役割を果たせる」と喜んでいます。
(ラッコ飼育歴9年 南理沙さん)
「ラッコの魅力が多くの人に伝わっているとすごく感じるので、嬉しく思っています。メイとキラのことを知って会いに来てくれて、そこからラッコについて調べてくれる方も多いので、水族館としての役割を果たせているのかなと思います」
昼食抜きで推す「離れている間に良いシーンがあったらどうしよう」
午後1時半、お昼時を迎えてもラッコらっこさんは他所へ行くことなく、撮影の手を休めずにラッコを推し続けます。
(ラッコらっこさん)
「いつもはすごく食べる方ですが、撮っている時は、もし離れている間に良いシーンがあったらどうしようと思うのでついつい」
ラッコは生きがい「これで明日も仕事を頑張れます」
そして閉館の午後5時前。この日、ラッコらっこさんは、熱心に30回以上もラッコの列に並びました。
(ラッコらっこさん)
「名残惜しいですが、変わらず元気な姿を見られて大満足です」
すっかりラッコの虜になったラッコらっこさんは、今や北海道やアメリカなどにも野生のラッコを見に行くと言います。
(ラッコらっこさん)
「大げさに言えば生きがい。これのために頑張ろうと。こんなおじさんでも笑顔になってしまう。これで明日も仕事を頑張れます」
大阪・天王寺動物園のアイドル ホッキョクグマの「ホウちゃん」
大阪の天王寺動物園、こちらのアイドルはホッキョクグマです。獣舎は先月、約19億円をかけて新築されました。
ここで生まれたホッキョクグマの「ホウちゃん」を、誕生の瞬間から推し続けているのが藤原直子さん(62)。月に2~3回会いに来ているといいます。
(藤原直子さん)
「賢いし、自分で遊びを作ったりエンターテイナーだと思います。ファンサービスもすごくしてくれる。特にホウちゃんは来ている人を見ているし、たくさん来たら『今から(技)するわよ』みたいなところがある。すごく元気をもらえます」
「ホウちゃんの話がほとんど」推し友ならぬ“ホウ友”も
推し活を通じて出会った、推し友ならぬ「ホウ友」も。
「ホウちゃんの話がほとんどですが、ホウちゃんのお父さん・お母さん・弟とかの話もします。グループLINEで今日のホウちゃんの写真をもらったり」
この日集まった3人が揃って黒い服を着ているのは、撮影時にガラスに自分の姿が映り込むのを防ぐためだといいます。
股のぞきポーズ=『天橋立』 ファン同士で通じる独自の用語も
さらに、ファン同士で通じる用語も。
「つま先立ちで立つときを『魅惑のつま先』=『みわつま』と言ったり、股のぞきのポーズを『天橋立』と言ったりします」
園内の売店ではホウちゃんグッズが多く並び、一番人気の「ホウちゃんぬいぐるみ」(2640円)は1か月で200個以上売れるといいます。
「運営費の半分以上は税金」ファンクラブ開設で入園料外収入を狙う
天王寺動物園では、「推しアニマル」を楽しみたい人に向けてファンクラブを開設しています。
プレミアムコースの年会費は1万円(大人)。プレミアム会員になると、園内イベントの当選確率が上がるといった特典があります。
先月行われた、ホウちゃんに氷をプレゼントする約30分のイベントでは、1席2000円の「S席」21人の枠に対し、397人もの応募がありました。プレミアム会員は当選確率が4倍になる仕組みです。
(天王寺動物園 向井猛園長)
「運営費の半分以上大阪市の税金なので、できるだけ税金に頼らない、入園料外収入を伸ばしていこうと。保全・調査・研究を行うことを目指しています」
バックヤードツアーでサイと触れ合う「乾燥させたパンのような…」
ファンクラブ特典は他にも。
元々獣医を目指していたというMBS鈴木充喜アナウンサーが、プレミアム会員だけが楽しめる「バックヤードツアー」を特別体験しました。
動物と間近で触れ合えるのが、最大の目玉です。
子どもの頃は獣医志望だったMBS鈴木充喜アナウンサーがサイのサミアちゃん(13)と対面すると、「すごい迫力!」と興奮気味に肌にタッチ。感触は「乾燥させたパンのような触り心地」だということです。
サイの角は何で出来ている?飼育員から動物の知識を学べる
(飼育員 河合芳寛さん)「角は何でできているかご存じですか?」
(鈴木充喜アナ)「ケラチン繊維。タンパク質」
(飼育員 河合芳寛さん)「正解です。人間で言うと…?」
(鈴木充喜アナ)「髪の毛もケラチン繊維。細胞内にある骨格もケラチン繊維」
(飼育員 河合芳寛さん)「すばらしい!完璧です!この角を漢方としてすごく重宝している国や民族があります。角を煎じて飲むと寿命が延びるといって密猟する。それは全くの嘘です。そんな成分は含まれていません」
ツアーを終えた鈴木アナウンサーは「近くで見て、正しい知識を身につけられるツアーでした。他の動物も行ってみたいです」と振り返りました。
癒やされるだけでなく、動物の正しい知識も学ぶことができる「推しアニマル」。皆さんも動物園や水族館に足を運んでみてはいかがでしょうか。
(2026年9月9日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『暮らしのケーザイ塾』より)
