林家木久扇さんにインタビュー

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落語家の林家木久扇さん(88)にインタビュー。米寿を迎えた心境や、今後の活動、息子・二代目林家木久蔵さん(50)についてなどを聞きました。

木久扇さんは18日、米寿と芸歴66周年を記念した『祝・米寿 木久扇祭り!』を開催。落語会には春風亭小朝さん、『笑点』で共演した春風亭昇太さん、息子の林家木久蔵さん、林家希林さんが出演しました。また、木久扇さんが描いた錦絵の展示・販売会も同時開催されました。

■米寿を迎えて「自分を褒めたい」

米寿を迎えた木久扇さんは、これまでの人生で“死んでしまうかもしれない”と感じたことが何度かあったそうで、「日本橋に住んでいまして、東京大空襲というのがありまして。3回目の爆撃でうちが焼けてしまいましてね、そのさなかにいたんです。疎開していなくてね、父が長男だから手元におきたいっていうね。手元におかれたばっかりに毎晩空襲があって、夜が明るかったんですよ」と明かしました。

また、落語家になってからも腸閉塞や2度のがん(胃がん、喉頭がん)を経験。特に喉頭がんの闘病期間については「本当に声が出なくなっちゃって、商売ができなくなったんですね。僕もなった時は本当に、“ここまでやってきて頑張ってきて、これでおしまいか”って本当に思いました」と当時を振り返りました。

いくつもの経験を乗り越えてきた木久扇さん。88歳になって「よくたどり着いたな。お前偉いなって自分を褒めたいですね」と語りました。

■人を喜ばせたい…落語家は“適業だった”

芸歴66周年の木久扇さんは、もともといたずら好きな性格だったそうで、「人を驚かせることが好きだったんですよね。しゃべってると、僕の一言で場面がグッと変わって、とても愉快になったりね」と話しました。

そのように考えるようになったのは、幼少期の思い出がきっかけだったそうで、「おばあちゃんがよく明治座のお芝居に連れて行ってくれて、幼いながらぜいたくな3段弁当を食べながら。場面転換っていうのがしみたんですよね」と明かしました。

そして、木久扇さんは「何か生理的に僕の中にうごめいてましてね。人と会うと“驚かせてやろう”、“びっくりさせてやろう”、“喜ばせてやろう”って。それがずっときて、落語家という職業が、僕に適業だったと思うんですね」と語りました。

■“おバカキャラ”の誕生秘話

演芸番組『笑点』では、“おバカキャラ”のイメージが代名詞となった木久扇さん。“おバカキャラ”について、「僕が何か言うとね、人が油断しているんですよね。“キクちゃんが言っているんだから、本当かねぇ”なんて言って。それを発見したんですよね。それから、どっちかっていうと大喜利で並んでいる人たちは、うまいこと言って“なるほど”と思わせようとしますよね。あの人は頓知がある、知恵があるなって。だけど、そのおバカさんをやれる人はあまりいなかったですね」と誕生のきっかけを明かしました。

また、“おバカキャラ”をやっていて得することもあったそうで、「答えていると(カメラに)2度映るんです。わざと回答を答えと違うことを言っちゃって、“キクちゃん、おかしいよ。それは前の問題の答えじゃないか”。もういっぺんって言って必ず2回映るんですよ。その映る得っていうのが、おバカやっていてとっても稼ぎました、人気を」と笑顔を見せました。

■弟子であり息子・二代目林家木久蔵への思い

弟子であり息子の二代目林家木久蔵さんについて聞いてみると、木久扇さんは「僕はね、子育てうまかったと思うんですね。あの子はね、とってものびのびとしていて」とコメント。

木久蔵さんを叱ったことがないと話す木久扇さんは、子育てのこだわりについて「こんなにしてくれるのかっていう以上に何かしてあげますから。例えば、孫にはお年玉も普通3000円ぐらいなんでしょうけど、5000円あげて。子供の利殖の本があるんですよ。それ一緒にあげてね。ためなさいよっていうことがね。その本を通じて、僕は孫にも言ってるわけでね。そういうやり方なんです。口で言わないんですよ」と語りました。

孫たちも、のびのびと成長しているそうで、木久扇さんは「よかったな、いい育て方してくれてるなと思って。それはせがれを僕が育てた手腕だなと思ってね。本当に父親で自慢しているんです」と思いを明かしました。

■今後の活動は“ずっと続けていたい”

これまでの88年の人生で、いろんな景色を見てきたと振り返り、「本当に生まれてきてよかった」と話す木久扇さん。今後の活動については「どこまで生きるかわからないけども、高座はずっと続けていたい」と意気込みました。

また、マッサージの先生から“老後はもうかる”、“骨格がいいから100歳までいくと売れるよ”と言われたそうで、「老人になって売れるっていうことの発想がなかったんでね、これからもうかるんだなと思ってね。すごく楽しみにしてます」と笑顔で語りました。