スーパーのプライベートブランドは「安いだけで美味しくない」のか…じつは「本当に美味しい商品」を見分ける方法があった
店頭で目立つようになったPB食品。大手だけでなく、知られざる老舗メーカーが作っていることも。知ればスーパーがもっと楽しくなる!
「PBは安いだけ」はもう終わり
空前の値上げラッシュが私たちの懐を直撃している。帝国データバンクによると、食品メーカー主要195社による飲食料品の値上げは9月で4923品目、10月も3033品目となる見通しだ。
食品の棚を見ても出るのは「この前まではもっと安かったのに……」というため息ばかり。そんなときに魅力的に映るのが、各スーパーが独自に取り揃えているプライベートブランド(PB)の品々だ。
流通アナリストの中井彰人氏が解説する。
「食品メーカーが全国的に発売する商品(ナショナルブランド=NB)に対して、PBはその廉価版というイメージが非常に強かったと思います。多くのPBは消費者から『安いけど、品質はそれなり』と見られてきました。
しかし、'22年頃から日本でもインフレが進み始め、消費者も少しでも安い物を選択するようになりました。たとえば、NBの隣にイオンのPB、トップバリュの商品が半値近い価格で並んでいたら、一度試してみようと考える人もいるはず。実際に購入してみて『思っていたほど悪くない』と気づいた人も多い。PBが売り上げを伸ばすと、メーカー側も力を入れるようになり、近年のPBは大手メーカーが製造を担っている商品も少なくありません」
PBが割安になるカラクリ
PBがNBより割安になるカラクリは単純だ。玉川大学経営学部教授の神谷渉氏はこう指摘する。
「一般にメーカー側は広告宣伝費やマーケティング費用を使って自社商品を売ろうとしていますが、PBではスーパー側が責任をもって売ってくれるため、その分、安くできます。また、流通にかかる費用も一部を省けるので、そのコストを消費者に還元でき、価格が抑えられるのです」
さらに食品業界特有の仕組みもPBの安さの理由だ。
「食品には賞味期限や販売期限に関する慣行があり、一定の期間を過ぎると小売店へ出荷できなくなります。また、売れ行きの悪い商品が早い段階で返品されることもある。メーカーには在庫を抱えるリスクや再出荷の物流コストなどが大きな負担になります。
一方、PBは原則的に小売業者がメーカーから商品を買い取ります。トップバリュはイオン系列の店舗で販売することが前提です。メーカーへ返品することはなく、小売り側が在庫リスクを引き受ける代わりに、メーカーは安く供給できるわけです」(前出・中井氏)
まずはパッケージの裏を確認しよう
安さが取り柄のPB食品は星の数ほどある。その中で本当に旨いものを探すにはどうすればいいか。実はちょっとしたコツがあるという。節約アドバイザーの丸山晴美氏がポイントを伝授する。
「まずはパッケージの裏を見て、製造者を確認することです。日清食品やカルビー、サッポロビールなどのよく知られたNBのメーカーが作っていれば、失敗する可能性は比較的低いと思います。
ただ、知らないメーカーだからといって、品質が悪いとは限りません。たとえば、ドン・キホーテのPB、情熱価格の超濃厚トマトケチャップを私は愛用していますが、これは名古屋・東海圏で愛されている調味料メーカーのコーミが製造しています。知らないメーカーでも調べてみたら地域の老舗企業だったということもよくあります。こうした新しい味との出会いも、PBの楽しみの一つです」
【後編を読む】ドンキ、セブン、イオン…専門家が厳選した「ほんとうに美味しいプライベートブランドの商品」一覧が凄かった
「週刊現代」2026年9月28日号より
