念願のステップアップ移籍を経て、日本に帰ってきた。北中米W杯で全4試合に先発出場し、初戦オランダ戦で得点も決めた日本代表MF中村敬斗(リヨン)は今夏、フランス2部のスタッド・ランスから1部名門のリヨンに完全移籍。国内移籍のみに適用される特例制度「ジョーカー」を活用し、ウインドー終了後に駆け込み移籍が成立した。

 中村によると、数あるオファーの中でも「リヨンが僕の中で最優先」だった。ただ、契約が成立するかどうかは同クラブに所属していたFWフォファナ・マリックの動向次第。「(ウインドー期間を過ぎて)取れないとなったら他のチームになっていた」という状況だったが、フォファナのサンダーランド移籍が無事に成立し、中村は晴れてフランス屈指の名門クラブに招かれた。

 移籍期間ギリギリでの加入となった中村だが、滑り出しは順調だった。加入直後の第3節オセール戦こそメンバー外だったものの、第4節のパリFC戦でさっそくベンチ入りし、後半30分から途中出場。続くUEFAヨーロッパリーグ第1節のアンデルレヒト戦では初先発を飾ると、前半22分には加入後初ゴールとなる決勝点を決め、さっそくアピールに成功した。

 中村は「チームとしてはまだ時間が経っていないけど良いスタートを切れた」とここまでの期間を前向きに総括。「リヨンという伝統的なクラブに行けたことがすごく嬉しいし、フランスということでずっとやってきたのですぐにアダプトできる。あとはチームの戦術にフィットしていければいい」と手応えを口にしつつ、「代表でも良いプレーをしたい」と意気込んだ。

 そうして迎える9月・10月シリーズの初戦の相手はウルグアイ代表。23年の第2次森保ジャパン初陣で初招集された中村にとって、同年3月24日のキリンチャレンジカップでA代表デビューを飾った時と同じ相手だ。あれから3年間で大きく立場は変わったが、中村の気持ちは変わらない。

「いつ選ばれなくなるかわからないし、毎回の活動で選ばれたいと思ってプレーしている。毎回の活動にフレッシュな気持ちで臨んでいる。3年以上選んでもらっているけど、だからと言ってインパクトが必要じゃないとも思わない。あの時と同じフレッシュな気持ちで臨みたい」。3年前は試合終了間際の投入だったが、今回は先発起用が濃厚。この3年間での成長も引っさげ、4年後につながる爪痕を残す。

(取材・文 竹内達也)