足の治療を受けるセルゲイ・ソロキンさん(ブリヤート共和国の非常事態省のメッセンジャーアプリ「MAX」から)

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 ロシア・バイカル湖畔でクマに襲われた65歳の男性が、目を指で突こうとする決死の反撃を繰り広げ、九死に一生を得た。ロシア・クラスノヤルスクの地域ニュースサイト「NGS24.RU」が先日、報じた。

 クラスノヤルスク在住のセルゲイ・ソロキンさんは9月3日、バイカル湖畔の温泉保養地ハクスィにある知人の民家に滞在していた。朝、玄関先に出ると、約15メートル先の茂みにクマを発見。クマはセルゲイさんに気付くや、猛スピードで迫ってきた。

 家へ逃げ込む暇はなく、木製の階段を盾にしたが、クマは一瞬で粉砕。次の瞬間、セルゲイさんは玄関先にあおむけに倒れ、足をガブリとかまれていた。

「何してやがる、この野郎!」

 そう怒鳴りながら、指でクマの目を突こうとした。しかし、クマは顔で手をはねのけた。そこでセルゲイさんが力いっぱい叫ぶと、クマは森の中へ逃げ去った。

 セルゲイさんは深い傷を負いながらも自力で救急箱を取り出し、傷口を消毒して止血。友人に電話し、救助を要請した。その後、ボートで搬送され、セヴェロバイカリスクの病院に入院した。

 クマは近くの茂みにバイカルアザラシを埋めており、獲物を守るために襲ったとみられる。セルゲイさんは「腹はいっぱいだったのでしょう。引き裂こうとはせず、かんで脅そうとしていた」と分析する。

 傷は筋肉に達し、深いものでは約5センチ。しかし、クマが爪を立てず、牙も太い血管や腱を外れたため、致命傷を免れた。クマは同日夜に駆除された。

 セルゲイさんは、近年クマが人間を恐れなくなったと指摘。「鈴や大きな音も役に立たない。今は森へ行かず、キノコやベリーをあきらめてほしい」と警告した。

 セルゲイさんは、過去に仕事中の事故で左手の指3本を切断したことがある。その際も冷静に指を拾い、雪を入れた袋に詰めて救急隊を呼び、接合手術に成功したという。

 セルゲイさんは「私は、どんな状況でも生き延びるようにできている。最後の最後まで、必死にあがかなければならない」と話している。