「こういうのでいい」か「日本の衰退」か…ローソン“一点突破すぎ!”弁当に賛否、物価高で変わるコンビニ飯

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ご飯の上を埋め尽くすソーセージ。あるいは、ご飯と塩辛い鮭だけ――。ローソンが9月22日から順次発売する「一点突破すぎ!」シリーズが、発売前からSNS上で注目を集めている。

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豪華なおかずを何種類も詰め込むのではなく、あえて具材を1種類に絞るという潔さ。そんな弁当に「こういうのでいい」と歓迎する声が相次ぐ一方、「日本人はここまで貧しくなったのか」と、物価高や生活苦と重ね合わせる声も出ている。

たったひとつの弁当をめぐって、なぜここまで評価が真っ二つに割れるのか。

ご飯一面にソーセージ、鮭だけ…ローソンが「あえて削った」理由

ローソンの新新企画「一点突破すぎ!」シリーズでは、おかずを何種類も盛り込むのではなく、具材を1種類に絞る。

第1週に登場する「一点突破すぎ!敷き詰めごはん てりやきソーセージ」は税込397円。てりやきソーセージをご飯一面に敷き詰め、てりやきだれを合わせた。

さらに「一点突破すぎ!ごはんがすすむ ぼだっこ(鮭)」は税込297円。秋田で親しまれている強い塩味が特徴の塩鮭「ぼだっこ」をご飯にのせた、文字通り“ご飯と鮭”に特化した弁当だ。

翌29日には、焼とうもろこしを敷き詰めた弁当と、激辛キーマカレーを使った商品も、それぞれ税込297円で発売される予定だ。ローソンによれば、具材を1種類に絞ることで、同サイズの弁当と比べ価格を最大5割抑えたという。

背景にあるのは、長引く物価高と消費者の節約意識だ。

総務省が発表した2026年7月の家計調査では、二人以上の世帯の消費支出は1世帯あたり30万1245円。物価変動を除いた実質では前年同月から3.6%減り、8か月連続のマイナスとなった。食料への支出も実質1.3%減少している。

一方で、すべてを切り詰めるわけでもない。ローソンでは高価格帯の酒類やスイーツなどが好調だといい、今回も797円の海鮮パスタやラーメン、786円の和栗モンブランなど「贅沢すぎ!」シリーズを同時に投入する。

つまり、毎日の昼食は安く抑えたい。しかし、使いたいところでは使う。そんな“メリハリ消費”を、両極端な商品で取り込もうというわけだ。

SNS上で目立つのが、この割り切った商品設計を歓迎する声だ。

「マジでこれでいい、こういうのでいい」
「独身パック飯丼がついに商品化してフライパンすら洗わなくていい時代が到来!!感動の涙が止まらぬぁい!!!!」
「ソーセージのやつは正直ちょっとアリかも…」
「ローソンさんの発想、すごい! わたしも買いたい!」

豪華さや栄養バランスより、「とにかく腹が満たせればいい」という需要に刺さっているようだ。

「栄養はさておきお腹はこれで良い」
「これに味噌汁で完結…いや、簡潔! これをお茶漬けにしたりするのもありかな?」

という声もある。さらには、

「ソーセージを敷き詰めた弁当、いいですね。現場の昼休みはこういう飯食って、野菜云々は夕食に回すのが良いかと存じます」

と、昼食一食ですべての栄養を完結させる必要はないという意見もあった。

「戦後みたい」「日本の衰退」…397円の弁当に映るもの

考えてみれば、自宅で一人だけの昼食を用意するとき、ご飯にウインナーだけ、卵だけ、昨晩のおかずだけ、といった食べ方をした経験がある人は少なくないだろう。

「一点突破すぎ!」は、これまで家庭の中では普通に行われながら、コンビニ弁当では商品化しにくかった“名もなき一人飯”を、そのまま売り物にしたともいえる。

ただし、同じ商品を見て正反対の印象を抱く人もいる。

「なんか、戦後みたいだね…」
「日本人はここまで貧しくなったのか、、、」
「ワイらの賃金が上がらなすぎて、300円以下とはいえ惨めな弁当が魅力的に感じてしまうようになったの普通に悲しい」
「日本の衰退を感じる...」

商品そのものへの批判というより、“こうした弁当が求められる社会”への複雑な感情がにじむ。

なかには、

「日本が今後、貧困国に落ちぶれていくかどうかの分水嶺だと思う」
「週5、1日8時間働いて出てきた昼飯これやったら、もう働かん方がマシ」

という厳しい意見まであった。もちろん、この弁当の登場だけをもって日本全体が「貧しくなった」と結論づけることはできない。

そもそもローソンは今回、低価格の「一点突破すぎ!」だけでなく、700~900円台を中心とした「贅沢すぎ!」商品も同時に展開している。

節約商品しか売れなくなった、という単純な構図ではないのだ。

そして否定派の中にも、商品コンセプトそのものではなく、“もっとこうしてほしい”という声もある。

「これに一言物申すならば『ソーセージ6本分は嬉しいが、それ刻まずに丸々6本並べてくれませんか?』と言いたい」

弁当とは本来、肉、魚、野菜、副菜と、いろいろなおかずが詰まっているもの――。そんな常識を思い切って捨て、ご飯の上に好きなものだけをドンとのせる。

それを「夢がある」と見るか、「寂しい」と見るか。

「一点突破すぎ!」弁当をめぐる賛否が面白いのは、397円の商品そのもの以上に、いま消費者がコンビニ飯に何を求めているのかが、はっきり表れているからなのかもしれない。

取材・文/集英社オンライン編集部