「イケメンだらけの学園ドラマ」に出られず、13年下積み→31歳で訪れた“転機”…遅咲き俳優・中村倫也(39)を変えた“忘れられない一言”〉から続く

 NHK連続テレビ小説『風、薫る』が、いよいよクライマックスに差しかかっている。

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 見上愛演じる一ノ瀬りんと、上坂樹里演じる大家(小川)直美。2人のトレインドナースが看護の未来を切り開いていく本作で、物語の鍵を握る人物の一人が、中村倫也演じる柳生藤次だ。


朝ドラ『風、薫る』公式Instagramより

 実は中村にとって、朝ドラは特別な意味を持つ枠でもある。確かな演技力を持ちながら、不遇の若手時代を過ごした中村は、31歳で出演した『半分、青い』をきっかけに一躍脚光を浴びた。デビューから13年、地道な下積みがようやく花開いた瞬間だった。

“メンヘラ製造機”、変わり者の探偵、一人7役…次々と力量を発揮

 ブレイク後も、中村はその演技力を存分に発揮していく。2019年のドラマ『凪のお暇』(TBS系)では、“メンヘラ製造機”こと安良城ゴンを好演。柔らかな声と穏やかな佇まいで、その優しさが救いにも毒にもなる人物を体現し、多くの視聴者を“ゴン沼”へ引きずり込んだ。

 翌年の主演ドラマ『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系)では、容姿端麗ながら超がつくほど変わり者の探偵・明智五郎を熱演。古風な装いに独特の口調、優雅な物腰でコミカルさを醸し出す一方、殺人鬼・マグダラのマリアに心を奪われていく情念もにじませ、中村の持つ色気を存分に生かした。

 映画では、2020年の主演作『水曜日が消えた』で、曜日ごとに人格が入れ替わる主人公を一人7役で演じた。それぞれの違いをことさらに強調するのではなく、一人ひとりの生活感が佇まいから自然と浮かび上がるように表現。派手な変化に頼らず、7つの人格を別々の人物として成立させる繊細さに、中村の俳優としての力量が表れていた。

 その後も映画『宇宙人のあいつ』、ドラマ『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日系)、『DREAM STAGE』(TBS系)など、主演作が相次ぐ。かつては端役やゲスト出演が中心だった中村が、今やドラマから映画まで、作品の顔として物語を牽引する存在となった。

水卜アナとの交際裏話「命狙われてんのかってくらい振り向いていた」

 誰もが知る売れっ子となった今も、中村は気取らない。『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系/2024年6月18日放送回)では、ネットで寸法に合わせたカーテンを注文したはずが、横に長いだけの布が届いたという失敗談を披露するなど、自らの失敗さえ軽妙な語り口で笑いへと変えてみせる。そんな飾らない素顔とは裏腹に、目立った熱愛報道やスキャンダルはなく、私生活は謎に満ちていた。

 それだけに、2023年3月、日本テレビの水卜麻美アナウンサーとの結婚を発表した際には、日本中に大きな驚きが広がった。2人に交際報道はなく、結婚までその関係を知られていなかったのだ。

 中村は報告の中で水卜アナを「生活に彩りと安心をもたらしてくれる、春風のような方」と表現。発表の2日後には『ZIP!』(日本テレビ系)にサプライズで登場し、仲の良さが窺える軽妙な掛け合いを披露した。

 結婚後も、夫婦生活について必要以上に語ってこなかった中村だが、今年3月に『A-Studio+』(TBS系)へ出演した際には、極秘交際の裏側を暴露。中村自身は人目をあまり気にしていなかったが、水卜アナは外出時に何度も周囲を確認していたといい、「命狙われてんのかってくらい振り向いてましたからね」と振り返った。

 家庭では、中村が料理を作ることも多いという。水卜アナについて「本当にすごい人。まだバレてないすごさがいっぱいある」と語り、皿から食べ物がなくなると寂しそうな顔をする、と笑った。

見る者の想像をかき立てる中村倫也の芝居

 芝居では、役の気持ちを説明しすぎず、見る側の想像に委ねる。私生活でも、明かすのは微笑ましい日常の一端だけ。役についても自身についても、すべては語らない。そこに残された余白が、見る者の想像をかき立て、もっと知りたいと思わせるのだろう。

『風、薫る』で演じる柳生もまた、必要なこと以上は語らず、胸の内を簡単には見せない人物だ。感情を表に出さない冷静な振る舞いの奥で、何を考え、これからどう動こうとしているのか。わずかな目線や間に意味を持たせる中村の芝居が、柳生の謎をさらに深めている。柳生の本心が明かされるとき、中村はその胸の内をどうにじませるのか。最後まで目が離せない。

参照

※ https://ananweb.jp/categories/entertainment/12253

(苫 とり子)