ビル・ゲイツ氏(ゲイツ財団提供)=ダニエル・バーマン氏撮影

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 【ニューヨーク=山本貴徳】米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏が読売新聞のインタビューに応じ、人工知能(AI)について、「影響の大きさやリスクの水準は、他の技術よりもはるかに大きい」と述べ、強い警戒感を示した。

 AIの急速な能力向上に社会や政府の対応が追いついていないことに懸念を示し、市場任せにせず対策を講じる必要性を訴えた。

 インタビューは9月1日にオンラインで行った。

 ゲイツ氏は、1年でAIの能力が大幅に向上したと指摘。「(ソフトウェア開発では)AIの方が私よりも優れている。衝撃的だ。社会の関与は小さく、人々は十分に注意を払っていない」と危機感を示した。

 AIは、普及の速さや雇用への影響などで過去の技術革新とは「大きく異なる」と強調。サイバー攻撃への悪用や子供の発達への影響、AIを制御できなくなるリスクなどを挙げた。

 すでにAIは若手の仕事をこなす能力を持ち、今後も大幅な改善が見込まれると指摘。「いずれ進歩が止まる」「信頼できるようにはならない」との見方は誤りだと述べた。事務職などのホワイトカラーでは数年以内に影響が広がり、ロボットの普及で建設や接客などのブルーカラーにも4年以内に大きな影響が及ぶとの見方を示した。

 その上で、政府はAI企業だけに対応を委ねるべきではないと強調した。企業はAIの悪用や社会的な影響に関する専門家とは限らないと指摘し、検証や監視が必要だと訴えた。

 また、雇用確保策としてAI利用量に応じた「トークン税」の導入やロボットへの課税を挙げ、AIやロボットへの置き換えを抑える効果があるとした。一部の仕事を人間に残す「ヒューマン・リザーブド(人間専用)」も提唱した。