「うちの親は大丈夫」と言い切れる? 高齢者の消費者被害相談5万件、東京都が9月に「高齢者悪質商法被害防止キャンペーン月間」を実施
令和7年度に東京都に寄せられた消費生活相談のうち、3件に1件以上が60歳以上の高齢者からのものでした。点検商法のような「いかにも高齢者が狙われそうな」手口がある一方で、実は年齢を問わず誰もが引っかかりかねない手口も少なくありません。今回は、その両方を紹介します。
高齢者に多い消費者トラブルは4パターン
特に注意したいのは次の4つです。

「点検商法」は、「無料点検です」と訪問した業者が不安をあおって高額な工事を迫る手口。特に分電盤に関しての相談件数は前年度比3倍以上と激増し、8割以上が60歳以上からの相談です。
「通信販売トラブル」は、「1回だけ」「お試し」のつもりが実は定期購入契約だったというケース。相談は4,921件と高水準で推移しています。
「架空・不当請求」は、未納料金を名目に電話やSMSで金銭・個人情報を要求する手口。身に覚えがない連絡には対応しないことが基本です。
「不用品買い取りトラブル」は、「何でも買い取る」と訪問し、目的とは違う貴金属を執拗に求める手口。契約者が80歳以上の場合、家族や第三者からの相談が半数を超えています(※令和5年度 消費者注意情報「不用品の買取りだけのはずが、貴金属も買い取られてしまった!~訪問購入は高齢者のトラブルが多いので、注意しましょう~」より)。
実は「自分ごと」でもあるトラブルが急増中
東京都の統計を見ると、意外な事実が見えてきます。令和7年度、商品・役務別相談件数 上位10位のうち、増加率の高かった高齢者の消費者トラブルは、点検商法でも買い取りトラブルでもなく「その他金融関連サービス」。前年度比148.6%増という伸びで、クレジットカードの解約や暗号資産の投資詐欺が目立ちます。日常的なお金のやり取りに関わるサービスほど、思わぬトラブルに巻き込まれやすいのかもしれません。

※令和7年度、商品・役務別相談件数 上位10位のうちの増加率
ここまでは高齢者に偏りが大きいトラブルでしたが、身近なところでは、通信販売トラブルの一種である定期購入も見逃せない存在です。「1回だけ」「お試し」のつもりで注文したら、実は定期購入契約だった、という声は後を絶ちません。
インターネット通販における定期購入に関する相談は60歳以上が58.4%を占めるものの、残る4割は60歳未満。うっかり定期購入してしまうのは、年齢を問わず起こりうる失敗です。身近な契約ごとだからこそ、こうした「思わぬトラブル」は若い世代にとっても他人事ではありません。
周囲の気づきが高齢者の被害を防ぐ
東京都は9月を「高齢者悪質商法被害防止キャンペーン月間」とし、関東甲信越ブロック(1都9県6政令指定都市1団体)と共同でポスター掲出やリーフレット配布などの啓発活動を実施します。
9月21日の敬老の日は、離れて暮らす家族に「困ったことはない?」と一声かけてみる良いきっかけかもしれません。高齢者の被害が多い不用品買い取りトラブルは家族や第三者からの相談が半数を超えるケースもあるといい、裏を返せば、周囲が気づくことで被害を防げているということでもあります。
本人が気づいた場合はもちろん、家族や周囲が「様子がおかしいかも」と感じた場合も、契約から日が浅ければクーリング・オフできることがあります。一人で抱え込まず、まずは相談窓口に連絡することが大切です。
問い合わせ・相談窓口
・東京都消費生活総合センター:03-3235-1155
・消費者ホットライン(局番なし):188
高齢者悪質商法被害防止共同キャンペーン(9月1日~30日)
高齢者被害特別相談(9月28日~9月30日、9:00~17:00)※この期間以外も相談を受け付けていますのでお気軽にご相談ください。詳細は高齢者悪質商法被害防止共同キャンペーンをご確認ください
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