映画独自解説家の守鍬刈雄が、YouTubeチャンネル「守鍬 刈雄のお暇なら映画でも」で「【#オデュッセイア】なぜアテナそっくりの少女を殺した?木馬に隠された本当の意味(独自解説)」を公開した。動画では、ノーラン版『オデュッセイア』における「トロイアの木馬作戦」の真実と、そこに隠された文明破壊のメッセージについて独自の視点で解説している。

※この記事には映画のネタバレが含まれます。

動画の中盤、守鍬は一般的に世紀の奇襲と称賛される「トロイアの木馬作戦」が、本作においてはオデュッセイウスの最大の罪として描かれていると指摘する。その理由は、当時のギリシャにおける最高の客人歓待のマナーである「ゼウスの誓い(クセニア)」を完全に破っているためだという。敵からの贈り物を丁重に受け入れるという神聖な儀式を逆手にとり、武装していない相手を騙し討ちにした行為を、守鍬は「戦争ではなく狩りだった」と断言。動物に対してもフェアであることを信条としていたオデュッセイウスが、自らの誓いを破って残虐な殺戮を行った矛盾を突いた。

さらに守鍬は、作中で女神アテナに似た少女が虐殺されるシーンと、アテナの石像が斬首される映像が重なる演出に着目した。この描写は、ギリシャ文明そのものを破壊したことを象徴しているという。「人間が神を信じる事ができる世界を人間が自分たちで破壊したという瞬間だった」と述べ、オデュッセイウスの犯した罪の深さを解説した。

後半では、歴史上謎に包まれている「海の民」に言及する。紀元前13世紀から12世紀にかけて東地中海を襲撃し、ミケーネ文明などを崩壊させたこの集団について、本作ではオデュッセイウスたちギリシャ連合軍こそが海の民の正体だったという独自の設定がなされていると解説。彼らが正義のためと信じて行った進軍が、結果的に長きにわたる青銅器文明に終焉をもたらしたという。

歴史上の謎とギリシャ神話を巧みに結びつけ、英雄とされてきたオデュッセイウスの行動を文明の破壊というスケールで捉え直した本解説。神話の裏側に隠された凄惨な事実と、人間の業の深さを浮き彫りにする見応えのある内容となっている。

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