「大阪名物551の魔力強すぎる」東京・上野に朝8時前から長蛇の列、4時間待った客は「最高の贅沢」それでも関東に常設店を作らない“150分の壁”

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「想像以上に並んでいた」--9月10日、東京・上野に期間限定出店した「551HORAI」に朝8時前から多くの人が殺到した。4時間待ちの末に豚まんを手にした客が語った“最高の贅沢”。それでも関東に常設店を作らない理由とは。

【画像】「え!こんな並ぶの?」上野に期間限定出店した『551HORAI』に長蛇の列、なかなか見られない調理工程

「待っている間に新大阪往復できそう」な551

大阪名物「551HORAI」の豚まんを求めて、東京・上野に朝早くから長蛇の列ができている。

松坂屋上野店では9月10日から16日まで、6階催事場で「秋のうまいもの物産展」を開催。全国から人気店が集結するなか、とりわけ注目を集めているのが、大阪名物として知られる「551HORAI」だ。

今回販売されるのは、豚まん6個入り1500円、焼売10個入り950円、焼餃子15個入り660円など。しかも単に大阪から完成品を運んでくるのではなく、会場で実演販売され、できたてを購入できる。

551HORAIには関東の常設店舗がない。それだけに、東京にいながら“できたての551”を味わえる貴重な機会とあって、初日から多くのファンが押し寄せた。

あまりの人気ぶりに、松坂屋側は551HORAIの商品を購入するための整理券を用意。開店前は松坂屋上野店近くの「館外 パークプレイス24前」で午前8時から配布される仕組みとなった。

「格安チケットで大阪往復して買った方が…」
「絶対新大阪行ったほうが早い」
「朝からこの人数は草 551の魔力強すぎるわ……大阪民もびっくりしそう」
「こ、これが噂の『待っている間に新大阪往復できそう』な551か」
「100人以上…!最後尾の看板持ってる方までいるんですね。雨の中、整理券のために並ぶ姿に頭が下がります。551の誘惑、分かります…」
「うわ!食べたなってきた! 肉まんもやけど、エビチリとか天津飯とかもうまいねーん」
「大阪民やけど、551ってそんなにすごいんや。昔から普通に食べてるからあんまりありがたみを感じへんわ」

整理券番号によって購入できる時間帯も細かく分けられている。1~30番は開店前に先行入店できる一方、361~390番なら午後1時30分以降、841~870番なら午後4時50分以降といった具合だ。整理券を受け取ったからといって、すぐ豚まんを手にできるわけではない。

それでも人は並ぶ。

9月10日の朝に整理券を求めて並んだ、くろもんさんもその一人だ。

「8時配布開始なので、余裕を持って10分前に到着したのですが、想像以上に並んでいたので思わず写真を撮ってしまいました」

4時間待ってようやく購入「最高の贅沢です」

ふだんから上野御徒町エリアによく行くというくろもんさんだが、これほどの行列を見かけることはなかったという。

「これほどの行列は毎年ある上野松坂屋うまいもの物産展くらいで、去年も行列が長かったのですが、今年は倍以上ありました」

午前8時前からこれほどの人が集まるだけでも、その人気ぶりがうかがえる。

松坂屋上野店も事前に整理券配布について詳細な案内を公開しており、待機できる人数を「1組2名まで」とするほか、整理券の転売やコピーなどの偽造を禁止すると注意喚起している。

同店がそこまで厳重な混雑対策を取るのも無理はない。

551HORAIは関西では駅や百貨店などでおなじみの存在だが、店舗があるのは大阪府を中心に、兵庫、京都、奈良、和歌山、滋賀の6府県。関東には常設店舗が一つもない。

そのため、東京での百貨店催事はファンにとって数少ない「できたて」を買えるチャンスなのである。実際に551を購入して食した、くろもんさんは、「最高の贅沢だ」と喜ぶ。

「約4時間後に購入できましたが、やはり作りたての豚まんは皮が甘くて餡がとろけて非常に美味しいです! ボリュームがありながら1個250円と安いのもめっちゃ嬉しいです。一年に一度、551蓬莱の作りたての豚まんを上野で食べられるのが最高の贅沢です」

4時間待ってでも食べたい――。

そこまで551HORAIの豚まんが支持される理由の一つが、「できたて」への徹底したこだわりだ。

同社によると、豚まんは各店舗で一つひとつ手作業で皮に具を包み、店内で蒸し上げている。全国の百貨店で行う催事でも、現地で実演販売するスタイルを取る。

そして、この製法へのこだわりこそが、「これほど人気なら東京に店を出せばいいのに」という素朴な疑問への答えでもある。

売れるのに出店しない…551が守り続ける“できたての味”

551HORAIは公式サイトで、はっきりと「地元関西以外には出店しません」と説明している。

理由は、豚まんの“生地”だ。

551では大阪のセントラルキッチンで原材料を加工し、鮮度の高い状態で各店舗へ1日に2~4回配送している。なかでも重要なのが、豚まんの皮となる生地の発酵状態だという。

物流にかかる時間まで利用しながら生地を適度に発酵させ、551独特の甘みとモチモチした食感を作る。その品質を維持できる範囲として設定しているのが「セントラルキッチンから150分圏内」なのだ。

だから東京に常設店を作らない。

一方、全国の百貨店催事では専用の催事チームが現地へ赴き、ミキサーなどの機材や材料を持ち込み、その場で生地から作るという。2026年3月の東洋経済オンラインの取材に対し、同社広報は、催事チームは2チームあり、年間スケジュールが埋まるほどフル稼働していると説明している。

全国で売れば、もっと売れるかもしれない。それでも効率や店舗数より、「いつもの551の味」を守ることを優先する。

関東に店がないからこそ、東京にやってくれば朝から人が押し寄せる。そして4時間待った豚まんを頬張り、「最高の贅沢」と喜ぶ人がいる。

皮の発酵状態を守るための「150分」という線引き。それが結果的に、551HORAIを「どこでも買える人気商品」ではなく、「わざわざ並んででも食べたい大阪名物」にしているのかもしれない。

取材・文/集英社オンライン編集部