中部電力子会社、500万件の契約で電気料金12億円過大徴収…役職者が重大性認識できず
中部電力は10日、子会社が愛知など5県で2年以上にわたり電気料金を過大徴収し、総額が約12億円に上ると発表した。
担当者が誤りに気付いていたが、是正されなかったという。
中部電によると、2024年4月以降、愛知、岐阜、三重、静岡、長野の5県の家庭など約500万件の契約で過大徴収した。対象は中部電の販売子会社、中部電力ミライズ(名古屋市)の全契約の6割近くに上り、過大徴収は現在も続いている。ミライズ社は正しい料金に改め、早期解消を図るとしている。
中部電が23年12月、国の新制度などに伴って電気料金を設定する際、原価を誤って計算した。24年1月に担当者が誤りの一部に気付いたが、役職者が重大性を認識できず、ミライズ社は同年2月、誤ったままの料金を国へ届け出た。中部電は今年6月、将来の料金見直しを進める中で、当時の誤りを改めて把握した。3年分の原価を実際よりも多く計上していた。
過大徴収額は平均的な家庭の料金モデルで月額10円。中部電は約12億円を契約者に返還する方針だが、今後、新たに過大徴収した分も返還する。
ミライズ社の八木貴央取締役は10日の記者会見で、「制度に関する理解が十分ではなく、チェック機能も十分に発揮されなかった」と謝罪した。
経済産業省は10日、ミライズ社に対し、電気事業法に基づく報告徴収命令を出し、問題の事実関係や対応状況、再発防止策などについて、早期に報告するよう求めた。
中部電では不祥事が相次いでおり、今年1月に浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の地震動データで不正をしていたことが発覚した。8月には、浜岡原発の廃炉作業で作業が計画よりも進んだように報告書を書き換え、約8億円を不適切に受領していたと発表。いずれも経産省から報告徴収命令を受けている。
