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 “メシマズ”あるあるその一、「初心者なのに、レシピを無視する」。古くは2chの時代からまことしやかにその存在を語られてきていたが、昨今では料理研究家のアカウントに直接凸する人まで現れるようになり、たしかな実在として確認できるようにもなった。
 今回話を聞いたのは、料理研究家を夢見てSNS発信に力を入れていたA子さん(30代)だ。

◆子供のために作ったアカウントに反響が

「もともとは、偏食の子供のために工夫して作った食事を記録するための個人的なアカウントだったんです。それが少しずついろんな人から『いいね』をもらえるようになり、フォロワー数はどんどん増えていきました。作り方を投稿してほしいとのリクエストも多くいただくようになっていき、次第に料理研究家になれたらと思うようになったんです」

 実際に彼女の作った手料理の写真を見せてもらうと、どれも見るからにおいしそうなものばかり。一方で、食材はごく一般的なものが多く、手順も簡便。誰でも真似しやすそうなレシピとなっており、好評を博したのも当然の理だと感じる。

「実は昔から飲食業で働いてきていて、調理師免許も持っています。長く在籍していたのはいわゆるおばんざい屋さんのようなところで、『家庭的ながらプロの味』といった料理は私の得意ジャンルでもあったんです。にもかかわらず、子供の偏食には手を焼いたので……同じように悩む人の力になれたらと、夢を抱いていたんですけどね」

◆違和感を覚えたタイミングで届いたメッセージ

 現在、A子さんのアカウントはもう閉鎖してしまっている。なにが彼女の心を砕いてしまったのか。

「フォロワーが増えるのと比例して、妙な質問を繰り返されたり、粘着されたりすることも増えてしまったんですね。しかし、私が憧れる料理研究家のひとりは、山本ゆりさんなんです。彼女はどんな質問にもいつも懇切丁寧に答えられていて、料理をする人の裾野を広げていらっしゃるはず。その背中を追うようにし、どんな質問にも答えるよう頑張っていたのですが……」

 アカウントが成長するにつれ、「白菜をレタスで代用できますか?」「塩昆布がなかったから、乾燥わかめで作ったけどマズかった」など、頓珍漢な質問や悪評が増えていった。ただ、それはA子さんも一定程度は想定済みだった。

「ある時点までは、自分の発信するレシピの性質上、仕方がないかなと許容できる範囲だったんです。それがある時から、苛烈な言いがかりをつけられたり、料理以外の個人情報を詮索したり暴露されたりするようになっていってしまいました」