正念場を迎える

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 大相撲秋場所が9月13日に初日を迎える。人気力士の安青錦が大関特例(陥落翌場所に10勝で復帰)を3度目の優勝でクリア。再び大関として番付に戻ってきた。他にも198年ぶりに京都出身関脇となった藤ノ川、62年ぶりに鳥取出身の新三役となった伯乃富士などの話題もあるが、問題は上位陣がいずれも不安を抱えていることだろう。

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「横綱・大の里は左肩の不安が薄れても稽古量が増えず、先場所優勝で大関に復帰した安青錦も左足のケガがある。カド番大関の琴櫻は先場所、8勝7敗でのギリギリでの勝ち越しだった。

 こうなると協会は2場所連続で優勝決定戦に敗れて準優勝の大関・霧島に期待するしかない。3月の春場所で優勝した後に準優勝が2場所ですから、本来は綱取りは白紙に戻るはずのところ、秋場所も"レベルの高い優勝"を条件にひっそりと継続させている状況です」(担当記者)

 そして、とりわけ心配されるのが横綱・豊昇龍(27)だ。先場所は6敗を喫して14日目から休場。その後に右膝靱帯の手術を受けた。場所前の力士会に参加した豊昇龍は「ギリギリまで出るかわからない。ボクは出たい気持ち」と話していたが、部屋で四股を踏み始めた段階。夏巡業も休場しており、秋場所は休場の見通しだ。

 師匠の立浪親方(元小結・旭豊)に聞くと、「(本人に)"次に出る時は優勝をしないとみんな納得しないぞ"とは言っている」と、短い言葉に今の立場の厳しさを滲ませた。

「豊昇龍は稽古熱心で部屋の力士にも人望がある。だが、192センチ188キロの大の里に対して188センチ150キロと体に恵まれず、ケガに泣かされている。昨年初場所後、ロンドン公演を控えての横綱不在危機のなか協会が強引に昇進させた経緯があり、今になって批判されるのは可哀想でもある」(若手親方)

北尾と同じ立浪部屋という因縁

 昇進後9場所で17個もの金星を配給し、賜杯を抱けていない。角界では「"第2の北尾"にならないか」と話題だという。

「北尾は1986年に22歳で横綱に昇進し、双羽黒に改名。しかし、師匠とのトラブルの末におかみさんを突き飛ばして優勝経験のないまま24歳で引退した。先代の時代の話だが、奇しくも同じ立浪部屋。重ねて見る向きがある」(相撲ジャーナリスト)

 とはいえ、昇進前に豊昇龍が2回優勝したのに対し、北尾は優勝経験がないまま準優勝と優勝同点(決定戦敗退)で昇進した"大甘昇進"などの違いもある。

「豊昇龍は問題児だった叔父の朝青龍を反面教師にする真面目力士でもある。そこも北尾と大きく違い、気の毒な話です」(同前)

 昇進後9場所で優勝なしは、平成以降の横綱では在位11場所で優勝がないまま引退した3代目若乃花に次ぐワースト2位。ここから奮起が待たれる。

週刊ポスト2026年9月18日号