治安戦略アナリストの小比類巻文隆氏が自身のYouTubeチャンネルで「【麻布十番・食中毒78人】「割烹こめを」提供・冷やしカニラーメン。元警視庁刑事が解説」を公開した。動画では、港区の麻布十番納涼まつりで発生した集団食中毒事件について、その概要と飲食業における衛生管理の重要性、そして元警察官の視点から衛生行政の歴史的背景を解説している。

小比類巻氏はまず、8月に開催された麻布十番納涼まつりで「割烹こめを」が提供した「冷やしカニラーメン」により、78人がサルモネラ属菌による食中毒を発症した経緯を説明。「ネット上では『前日の残りを使ったのでは』という噂もあるが、初日から発症者が出ているため当たらない」と冷静に状況を分析した。原因食品は断定されたものの、具体的にどの工程で菌が混入したかは未だ明らかになっていないと指摘している。

続いて、今回の騒動が大きく報じられた背景として、経営者である「こめを」氏の知名度を挙げた。長年飲食店を経営する同業者の意見を引き合いに出し、インフルエンサーは飲食業に参入しやすい反面、衛生管理への意識が不足しがちであると指摘。飲食店は美味しい料理を提供する前に「食べても健康を害さないということが、料理の味だとか価格以前の絶対条件になる」と、基本中の基本である食の安全を強く訴えた。さらに、無関係の別のカニ料理専門店にまで「カニだから食中毒になったのか」といった問い合わせが寄せられ、風評被害が及んだことにも触れ、ひとつの事故が業界全体に与える悪影響の大きさに警鐘を鳴らした。

動画の終盤、小比類巻氏は「なぜ元警察官の私がこの食中毒だとかお店の衛生管理だとか、そんなことについて熱く語っているのか」という疑問に対し、「戦前まで衛生行政は警察の管轄だった」という歴史的背景を解説。現在の保健所体制に至るまでの経緯を紐解きながら、社会の安全を守る視点からこの問題を取り上げた理由を明かした。知名度先行の飲食店運営に対する教訓と、食の安全という基本を見直す契機となる動画となっている。

チャンネル情報

元警視庁刑事・国際捜査官。1993~2023年警視庁。爆弾処理班配属後、警視庁中国語通訳を経て国際捜査官に。以降、国内外の銃器・薬物犯罪の情報収集、秘匿捜査に従事する。ほか殺人、強盗、誘拐事件などあらゆる捜査に参加。退官後、30年に及ぶ警察人生の知見を世の中へ貢献すべく治安戦略アナリストとして活動中。