国家公務員の兼業利用の主な事例

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 国家公務員の趣味や特技を生かした兼業の利用が、広がりつつある。

 人事院が今年度から兼業の基準を緩和し、茶道講師や庭木の枝切りといった幅広い分野の自営業で可能となった。公務員の仕事に差し障りない範囲で意欲を高め、若手の人材確保や離職防止につながることが期待されている。

 人事院は今年4月から、手芸品の販売など知識や技能を生かした事業や、高齢者の買い物代行など社会貢献となる事業について、新たに兼業を認めた。これまでは、不動産賃貸、太陽光発電の電気販売、農業・林業など家業継承の3分野に限って容認してきた。

 公務員は原則として副業は認められず、希望者には開業届や事業計画書の提出を義務づけた。通常業務に支障が生じないことや国民の信頼を損なわないなどの要件を満たした場合に、各府省庁が承認する仕組みだ。

 人事院が昨年2月に公表した国家公務員の意識調査では、兼業希望者が3割超に上った。30歳代の若手職員や「キャリア官僚」と呼ばれる総合職では4割を超える。入省10年未満で退職した総合職は2023年度に200人を上回った。民間企業にヒアリングして採用や離職防止に好影響を与えることを確認した上で、兼業できる対象を拡大した。

 人事院によると、新たに兼業が認められた国家公務員は、8月時点で約40人に上る。出身は内閣府や財務、外務、総務などの各省、警察庁、海上保安庁と様々で、業種も語学講師、絵画やゲームの販売、ネイリストなどと多岐にわたる。

 人事院中部事務局第2課任用係長の奥田恵美さんも、その一人だ。対話を通じてキャリア形成の目標設定を助言する「キャリアコーチング」の国際機関認定資格を持つ。「自分の経験や知識をいかせることが兼業の魅力だ」と話す。

 これまで休日に無償でキャリアの助言を行ってきたが、対価を支払えないことに相手が負い目を感じることもあったという。奥田さんは「兼業で得た学びを公務の仕事に還元したい」と意気込む。

 人事院は年内をメドに兼業の事例をまとめて制度の周知を図る方針で、担当者は「本業に影響が出ない好事例を示していきたい」としている。