台風で旅行を取りやめようとしたら、ホテルから「通常のキャンセル料がかかる」と言われました。交通機関が止まっても、宿泊代は支払う必要があるのでしょうか?
交通機関の運休だけで自動的に無料になるとは限らない
宿泊契約と鉄道・航空券の運送契約は別の契約です。そのため、利用予定の交通機関が計画運休になっても、ホテルが営業し客室を用意できるなら、宿泊者が契約を解除したものとしてキャンセル料が発生する可能性があります。
消費者庁の検討資料には、台風による鉄道の計画運休を理由に宿泊を取りやめたところ、ホテルは宿泊可能だったとして、約6万円の宿泊代の50%を請求された相談例が掲載されています※1。これは個別事例であり、すべてのホテルが50%を請求するという意味ではありません。実際の割合は予約時のキャンセル規定で決まります。
ホテルが宿泊を提供できない場合は扱いが変わる
観光庁のモデル宿泊約款では、宿泊客の責任となる理由で契約を解除したとき、ホテルは違約金を請求できるとしています。ただし、予約時に違約金の支払義務をホテル側が告知していることが前提です※2。
一方、不可抗力によって宿泊させることができないとき、ホテル側は宿泊契約を解除できます。ホテル側が契約を解除した場合、まだ提供していない宿泊サービスの料金は収受しないという整理です。建物の被害、停電、避難指示などで休業するケースは、交通機関だけが止まりホテルは営業しているケースと分けて考えます。
予約サイトとホテルの両方に条件を確認する
確認するのは、無料キャンセル期限、当日・前日の料率、連泊予約の扱い、災害時の特則です。予約サイトを通した場合、ホテルへ直接連絡するだけでは手続きが完了せず、サイト上での操作が必要なこともあります。返金不可プランは通常プランより条件が厳しい場合があります。
運休証明や欠航証明があれば必ず無料になるとは限りませんが、特別対応の判断材料になる可能性があります。ホテルや予約サイトが災害時の特別措置を公表していないか確認し、電話で合意した場合も、担当者名、日時、回答内容を記録しましょう。
納得できない請求は根拠を書面で尋ねる
キャンセル料を請求されたら、予約時に表示された規約のどの条項に基づくのか、金額の計算方法は何かを尋ねます。規約を保存していない場合は、予約確認メールや予約サイトのマイページを確認してください。
表示されていなかった条件を後から示された、ホテル自体が休業したのに全額を請求されたなど、説明に納得できない場合は、消費者ホットライン188を通じて最寄りの消費生活センターへ相談できます。クレジットカード会社への連絡だけで契約上の問題が直ちに解決するとは限らないため、まず事業者と請求根拠を確認しましょう。
まとめ
台風で交通機関が止まっても、ホテルが宿泊を提供できるなら、通常のキャンセル規定が適用される場合があります。反対に、ホテル側が宿泊を提供できず契約を解除する場合は、未提供分の宿泊代を支払う扱いにはならないのがモデル約款の考え方です。運休の有無だけで判断せず、予約プランの規約、ホテルの営業状況、災害時の特別対応を確認してください。
出典
※1 消費者庁 消費者契約に関する検討会 自然災害時・コロナ禍におけるキャンセルに係る消費生活相談事例
※2 観光庁 モデル宿泊約款
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

