5年ぶり地区優勝に「ホワイトソックス」試練の9月突入! 「村上宗隆」効果でチームカラーが激変 ビジネス面でも好影響が
来季も残留
村上宗隆(26)が所属するシカゴ・ホワイトソックスが、8月31日(現地時間)のヒューストン・アストロズ戦を落とし、8月の月間成績は14勝14敗となった。
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一時期ほどの勢いはないが、ア・リーグ首位の座はしっかりとキープしており、5年ぶりの地区優勝へのカウントダウンもいよいよ始まろうとしている。前回優勝の21年以降で100敗以上を喫したシーズンが3回。昨季は最下位だったチームの大躍進に、地元シカゴも驚いているそうだが、そんなホワイトソックスがグラウンド外でも話題を集めていた。村上の契約延長の行方と、西田陸浮(25)を含めた若手選手たちの躍進だ。

「8月27日、ホワイトソックスのクリス・ゲッツGMが、米メディア『New York Post』の公式YouTube番組『The Show』に出演しました。村上との契約延長について質問され、交渉が順調であることを明かしていました」(現地記者)
ゲッツGMは「ぜひ、彼に長期にわたってここにいてもらいたい。彼にもその意思があるように感じているし、自分たちもその意思がある。何度も話し合いはしているが、今日のところはそれくらいにしておきましょう」と、意味ありげな笑みを浮かべていたという。さらに村上のチーム貢献度を聞かれると、こう答えていた。
「攻守ともに熱心に努力する選手の一人。本当に素晴らしいチームの一員だ。選手はみんな彼のことが大好きで、彼自身も本当に幸せそうにしている」
契約が延長されるのは間違いなさそうだ。交渉の中身はその規模であり、ホワイトソックスは現・労使協定が失効となる12月1日前の合意を目指しているという。
「村上の代理人を務めるのは『Excel Sports Management』です。ヤンキースで一時代を築いたデレク・ジータ(52)やプロゴルファーのタイガー・ウッズ(50)、プロボクシングのカネロ・アルバレス(36)など、各スポーツの超一流選手をクライアントに抱えています。マネジメント会社が大きいので、村上の契約はかなり大きなものになると予想されています」(前出・同)
村上は103試合に出場し、本塁打29、打点59、ops(出塁率+長打率)も8割4分8厘と高い数値を残しているが、打率は2割1分5厘で三振数が153と、まだ粗削りなところも多い(いずれも9月3日現在)。これは、彼がメジャーリーグ入りを正式表明した昨年オフの時点で指摘されていた欠点でもあり、「課題はまだ解消されていない」とも解釈できる。それでもホワイトソックスが大規模な契約延長を念頭に置いた交渉に踏み切った理由は、村上の加入によって同世代のトッププロスペクトたちも覚醒し、チームリーダーをも任せられる逸材だと判断したからであろう。
「村上が右太腿裏の肉離れでIL(負傷者リスト)入りしていた6月でした。彼は実戦練習でマイナーの試合に出るギリギリまでチームに帯同するだけではなく、試合中もベンチに入って声を張り上げていました。チームメイトが適時打を打つと、自分のことのように喜んでいた。前回の地区優勝を果たした21年にも村上のような選手はいませんでした。今ではチームのまとめ役です」(前出・同)
他の選手へも好影響が
ゲッツGMの「村上にもチーム残留の意思があるように感じている」との発言を裏付ける情報も聞かれた。チームは低迷期を乗り越え、村上と同世代の若手たちが切磋琢磨できる環境に変わりつつある。
「村上と同い年のトリスタン・ピーターズ(26)が8月26日のテキサス・レンジャーズ戦で、12号アーチを放ちました。ピーターズの一発が出たときは、村上も一緒に喜んでいました」(前出・同)
この時点で村上も5戦連続弾をマークしていた。新人2選手が同一球団で5試合連続本塁打を記録するのは1900年以降初めての快挙だという。そのピーターズは23日のニューヨーク・メッツ戦でサヨナラ本塁打も放っている。相手は千賀滉大(33)だ。
また、同じく26歳のミゲル・バルガス、そしてコルソン・モンゴメリー(24)が29本塁打(9月1日時点、以下同)を打っている。村上は18日のシカゴ・カブス戦で29号を打って以来、足踏み状態となっている。モンゴメリーは村上、バルカスとのチーム内ホームラン王レースで少し後れを取っていた。しかし、村上から快音が聞かれなかった間にモンゴメリーが打線をカバーしたわけだ。特筆すべきは、ア・リーグ本塁打王ランキング10傑のなかに3選手が入っているのはホワイトソックスだけということ。長打力で打ち勝つチームに変貌しつつある。
「バルガス、モンゴメリーも村上と同じく、ホームランを打ちますが、三振も多い。打率も2割4分前後です」(米国人ライター)
昨季のチーム打撃成績だが、総得点647、本塁打数165ともにア・リーグ14位。打率と出塁率も同13位だった。モンゴメリーも昨季にメジャーデビューを果たしたばかりで、打線に関する開幕前の評価は決して高くなかった。しかし、村上、バルガス、モンゴメリーの3人ですでに87本塁打を放っており、138試合を終えた時点でチームは181本塁打を記録している。昨季の総本塁打数をすでに超えており、シカゴ・カブスの196本、ニューヨーク・ヤンキースの192本、ヒューストン・アストロズの184本に次ぐメジャーリーグ30球団中4位の好成績でもある。
「村上の活躍で、チームは日本の住宅設備機器メーカーとのパートナーシップ契約も交わされました。日本企業とのパートナーシップ契約というと、大谷翔平(32)のいるロサンゼルス・ドジャースが有名ですが、今後の活躍次第では村上のいるシカゴも注目されるかもしれません」(前出・現地記者)
起業家だった西田
また、マイナーリーグから這い上がってきた西田陸浮(25)も村上の発奮材料となっていた。メジャー再昇格を果たしたが、わずか2試合、出番ナシで8月27日にまた降格となってしまった。「忌引リスト選手」の代替だったので仕方がないが、米スポーツメディア「The Athletic」などで“意外な一面”も紹介されていた。彼は起業家でもあったのだ。
朝のルーティンとしてメールか、オンラインでスタッフに指示を出して、それからグラウンドに向かうという。夜も就寝前にオフィスからのメール連絡などを確認している。経営している会社の事業内容は、野球などのスポーツを含めた留学サポートの会社で、大学に在学していたころに立ち上げたそうだ。
引退後のセカンドキャリアに困るプロ野球選手は多いが、現役中からビジネスに携わっていれば、絶対に役に立つはず。西田は留学を志す日本の学生を応援しているが、中途半端な気持ちなら、「来るだけ無駄!」と厳しい一面も見せている。自身がメジャーリーグに定着しなければ後進に示しがつかないとし、練習量はさらに増えたという。
最近では村上と西田が「日本人コンビ」としても扱われるようになった。地区優勝のカウントダウンも始まろうとしているが、村上とホワイトソックスは若く、新たな強豪チームに変貌しつつある。
デイリー新潮編集部
