蓮浦温室農場の建設着工式に現れた金正恩氏(2022年2月19日付朝鮮中央通信)

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脱北後に北朝鮮に強制送還され、拘禁施設で拷問や性的虐待を受けたと主張する人々が韓国で北朝鮮政府を相手取って起こした損害賠償訴訟で、ソウル中央地裁は先月28日、北朝鮮に5000万ウォン(約580万円)の支払いを命じる判決を言い渡した。

北朝鮮の人権侵害に対する訴訟は日米でも提起されているが、北朝鮮側は反論すら行わず無視を決め込んでおり、問題が是正される兆しすらない。

(参考記事:北朝鮮の15歳少女「見せしめ強制体験」の生々しい場面

脱北に失敗し強制送還された人々が多く集められる咸鏡北道・会寧の全巨里(チョンゴリ)教化所(刑務所)の実態については、たとえば次のような証言が伝えられている。

「27歳(の男性受刑者)が部屋で夜に2人を斧で殴り殺しました。その罪で公開裁判を受けて3ヶ月後に銃殺されました。女も男もみんな集められたところで。彼は班長を務めていたが、その班の男性が先生(看守)に『班長が穀物を盗んで牢屋に持ってきた、10キロになる』と告げ口したんです。(中略)教化生(受刑者)が集まったところで(看守から)『殺すのに賛成のやつは手を上げろ』と言われて。全員賛成するしかなかったんです」

「公開銃殺を見せられました。1人が3発撃つんです。遺体を見せられるんです。裁判に引き立てられてきたときはきちんとしていたのに、処刑された遺体は半分がなくなっていました」

(韓国の北韓人権情報センターの証言集より)

北朝鮮当局は近年、国際社会からの監視の目を気にしてか、こうした恐怖政治の水準を「調整」している傾向もうかがえるが、暴力に頼った統治は本質的に変わっていない。また、中朝国境の統制強化によって脱北者が持ち出すこうした情報の量も減り、内部の実態はいっそう見えにくくなっている。