マフィアの修羅場にまさかの博士が登場!? 『雪のヤドカリ4コマ劇場』のシュールすぎる急展開から目が離せない【書評】

【漫画】本編を読む
『文学的なオチが癖になる 雪のヤドカリ4コマ劇場』は、漫画家・イラストレーターの雪のヤドカリ(@yukinohotel)さんによる、奇想天外でシュールなオチに酔いしれられる至極の4コマだ。
不動産屋で部屋を探している男性。スタッフの女性は「このご予算ですと案内できる部屋は…」「一件だけあるにはあるんですが…」と渋い顔を浮かべる。1件しかないとは、男性は相当な低予算でありながら、無理な好条件を求めているのだろうか。
「5年前、この辺りで連続殺人事件がありましたよね」「あの事件の犯人が…」と、部屋の鍵を開けながら淡々と話すのだ。一方で男性も「なるほど、事故物件か…」とやや驚きながらも、さほど気にしていない様子。だが、ここから物語のオチは急展開して--。
さらに、もう1作品、イチオシのエピソードを紹介したい。マフィアらしき男性が複数の敵に銃口を向けられ、絶体絶命のピンチを迎えている状況から始まる。しかし、そんな緊迫した状況にもかかわらず、画面の左下のワイプ内に「Tips(ティップス)博士」が登場。「こういう状況を袋のネズミと言うんじゃ!」と突然の解説を始める。
子ども向けアニメのような懐かしさを醸し出しつつも、世界観の崩壊っぷりは常軌を逸している(褒め言葉)。そして、ここからさらに牙を剥く「もう一歩先の急展開」こそが本作の真骨頂。果たして、結末はいかに--。
文=雨野裾
