「夜になるとつい食べすぎる」女性は要注意? 夜型と体脂肪の関連、肥満を防ぐ食べ方を医師が解説
「夜になるとつい食べすぎてしまう」「朝は食欲がない」という人もいるのではないでしょうか? グリフィス大学やマッセー大学などの研究グループは、ニュージーランド在住女性の朝型・夜型と、食事のタイミングや体脂肪との関係を調査。その結果、夜型の女性は朝型・中間型の女性に比べて、体脂肪率が高く、腹部に脂肪が偏っていることを示す指標も高く、20時以降の食事量も多い傾向が見られました。この内容について五藤先生に伺いました。
監修医師:
五藤 良将(医師)
防衛医科大学校医学部卒業。その後、自衛隊中央病院、防衛医科大学校病院、千葉中央メディカルセンターなどに勤務。2019年より「竹内内科小児科医院」の院長。専門領域は呼吸器外科、呼吸器内科。日本美容内科学会評議員、日本抗加齢医学会専門医、日本内科学会認定医、日本旅行医学会認定医。
研究グループが発表した内容とは?
編集部
グリフィス大学の研究員らが発表した内容を教えてください。
五藤先生
グリフィス大学やマッセー大学などの研究グループの調査で、夜型の生活リズムや夕食後の食事量の多さが、肥満につながる可能性があることが分かりました。この研究では、女性の「朝型・夜型」と食事や体の状態との関係について、18~45歳のニュージーランド在住女性287人を対象に、生活リズムや5日間の食事内容・体脂肪率・血液中の代謝に関する指標などを調査しました。その結果、夜型の女性は朝型・中間型の女性に比べて、BMI(体格指数)や体脂肪率、腹部の脂肪が多く、血中脂質や血糖の状態も悪い傾向が見られました。また、夜型の女性は朝の食事量が少ない一方、20時以降にエネルギーやタンパク質、炭水化物、脂質を多く摂取していました。特に、夕方以降の摂取量が多いことは、体脂肪率や腹部の脂肪の多さと関連していました。肥満の予防法とは?
編集部
今回のテーマに関連する肥満の予防法について教えてください。
五藤先生
肥満を予防するには、食事から摂取するエネルギーと、運動などで消費するエネルギーのバランスを整えることが大切です。極端な食事制限は長続きしにくく、心身への負担にもなるため、無理のない範囲で食べすぎを防ぎましょう。特に、間食やお酒は気付かないうちに摂取エネルギーが増える原因となるため、量に注意してください。また、食事を抜いたり食事時間が不規則になったりしていないか、食事のリズムも見直しましょう。さらに、日常生活の中で体を動かす機会を増やし、無理なく運動を続けることも重要です。自分に合った方法で、健康的な生活習慣を少しずつ身に付けていきましょう。内容への受け止めは?
編集部
グリフィス大学の研究員らが発表した内容への受け止めを教えてください。
五藤先生
今回の研究は、食事の「量や内容」だけでなく、「いつ食べるか」にも目を向ける重要性を示した点で興味深いと考えます。夜型の人では、朝の摂取量が少なくなり、その反動で夕食後の間食や飲酒を含め、夜間に摂取エネルギーが偏ることがあります。診療においても、食事内容だけでなく、食べる時間帯や睡眠、勤務形態まで確認することが大切です。一方、今回の研究は、ある時点での関連を調べた横断研究です。そのため、夜遅く食べたことが肥満を引き起こしたと証明したものではありません。対象も18~45歳のニュージーランド在住女性に限られ、BMIや民族的背景にも偏りがあるため、日本人全体や男性、高齢者にそのまま当てはめることはできません。
また、夜型の体質を無理に朝型へ変える必要があるという意味でもありません。まずは夕食後の間食・飲酒を減らす、就寝直前のまとまった食事を避ける、可能な範囲で夕食を少し早めるといった、継続しやすい改善から始めるのが現実的です。肥満予防では食事時間だけに注目せず、総摂取エネルギー、食事の質、運動、睡眠を含めて生活全体を整えることが重要です。
編集部まとめ
夜型の人は、朝の食事が少なく、夜遅い時間に食べる量が増えやすい傾向があります。ただし、夜型であることや夜遅く食べることが、直ちに肥満を引き起こすと証明されたわけではありません。この機会に、生活リズムを無理に大きく変えるのではなく、夕食後の間食や飲酒が習慣になっていないか、就寝直前にまとまった食事をしていないかを見直してみましょう。

