吉良大弥 井岡先輩超えた!国内最速タイのプロ5戦目で世界王座戴冠「中盤決めにいった」
◇WBA世界ライトフライ級王座決定戦12回戦 ○同級1位・吉良大弥<TKO7回38秒>同級2位カルロス・カニサレス●(2026年9月2日 横浜BUNTAI)
世界初挑戦のWBA世界ライトフライ級1位・吉良大弥が同級2位の元同級正規王者カルロス・カニサレスに7回38秒TKO勝ち。元世界4階級制覇王者・田中恒成と並ぶ国内最速記録のプロ5戦目での王座奪取を成し遂げた。憧れる同門の元4階級制覇王者・井岡一翔(37)の7戦目(当時国内最速)も超える偉業。鮮烈なKO劇で新世代の旗手に名乗りを上げた。
軽量級の新スター候補の吉良が、世界の舞台で名前通りの輝きを放った。“ダイヤ”の原石は、肩にベルトをかけると「重たいです」とその重みをかみしめた。最速記録達成への思いは「全然ないっす」と素っ気なかったが「この試合に勝つことだけを目標にしていた」と笑みを浮かべた。
セミファイナルは初回KO決着。燃えないはずがなかった。序盤から圧倒的なスピードと手数で相手を翻弄(ほんろう)すると7回に大きく振りかぶるように左フックを顔面にクリーンヒット。「スローに見えるもんなんすねと」と振り返った強烈な一撃で2度目のダウンを奪うと、ふらふらになった元王者は立ち上がれず。コーナーポストに駆け上がり雄叫びを上げ「“ここから勝負っぽい”と思い、中盤に決めてやりました」とニヤリ。元統一王者・寺地拳四朗と12回まで死闘を演じた元王者を子供扱いしてみせた。
5戦目での王座奪取は同門・井岡の7戦目も超える快挙。同ジムに入門する決め手となった大先輩からは調整期間中に「余裕を持ってやれ」と助言も受けていた。その井岡が24年7月にWBAスーパーフライ級王座から陥落して以来、志成ジムは世界戦7戦勝利なしだったが、ジム初の生え抜き王者が不名誉な記録もストップ。バトンを引き継いだ先輩に「完全に彼の時代」と言わしめた。
次戦では当初の対戦相手、WBA休養王者レネ・サンティアゴ(プエルトリコ)との統一戦の可能性を残すが「ライトフライは(減量面で)無理かな。違う色のベルトが欲しい」とフライ級に転級し他団体のベルトに挑戦する意向を表明。「自分にしかできないこと」と複数階級制覇を狙える実力があることを自ら証明し、次のステージを見据えた。
≪「本当に良い刺激もらった」 レジェンド現役続行を明言≫吉良のジムの先輩の井岡は「心配はしてなかった。素質はあるし、技術も凄く高い。人としての成長も凄く感じたし、時代を担って、自分の時代をつくっていってほしい」と称えた。自身は5月に井上拓真に敗れて日本男子初の5階級制覇を逃した。「まだ自分も現役を続けていこうという気持ちでいるんで、本当に良い刺激をもらった。自分もまだまだ彼と残りの時間を背中で見せてあげたい」と現役続行の意思を示した。
◇吉良 大弥(きら・だいや)2003年(平15)5月30日生まれ、大阪府門真市出身の23歳。4歳からキックボクシングを始め、中学1年時からボクシングに専念。奈良・王寺工高でアジアジュニア選手権50キロ級優勝、高校選抜、高校総体も制しアマ3冠。東農大に進学も、24年パリ五輪出場を逃したため2年で中退してプロ転向。24年6月にプロデビュー。身長1メートル63の右ボクサーファイター。

