エスパニョール戦で77分に投入された久保。(C)Getty Images

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 レアル・ソシエダのホキン・アペリバイ会長がママドゥ・サールとエクトル・フォルトの入団会見に姿を現し、今夏初めて公の場で口を開いた。広報担当が練り上げた筋書き通り、そのメッセージは極めて簡潔だった。

 迷走が続く補強戦略に対しサポーターが苛立ちを募らせるなか、クラブのトップは何食わぬ顔で「満足のいく夏を過ごせた」と断言。補強リストに名を連ねていた選手たちは誰もが加入を熱望していたと強調し、今夏の最大の目標は、昨シーズン、2部残留の快挙を成し遂げたサンセ(Bチーム)の若手にトップチームの枠を空けることだったと語った。

 会見で最も繰り返されたのは「進化」という言葉だった。トップとBチームの格差を埋め、すべてのコンペティションで上位を争える集団へと育て上げる。じっくりと時間をかけて育てる手法は忍耐を要し、自身の椅子を守るためにも結果を出し続けることが前提となる。

 会見中、アペリバイはあるクラブからひとりの主力の獲得にかかる移籍金について問い合わせがあったものの、交渉を拒否したと明かした。様々な憶測が飛び交ったが、名前の公表を断固として拒んだ。

 それがタケ・クボ(久保建英)でないことだけは確かだ。その場にいた誰もが彼の名前を挙げなかったはずであり、その事実こそが危険な兆候と言える。タケの「進化」は決して順調ではない。

 最近のパフォーマンスは低調で、ピッチ上での影響力は急激に落ち込んでいる。悲観論者たちは「先発で起用するレベルにない」と切り捨てるが、冷静な視点を持つ者なら、昨シーズン彼を襲った度重なる怪我が本来の輝きを奪った事実を忘れてはいない。これは単なる言い訳ではなく、ピッチ上で起きた紛れもない現実だ。

 今シーズンここまでの歩みを振り返れば、ベティス戦こそ無難な出来にまとめたものの、大一番だったレアル・マドリー戦では期待を大きく裏切り、続くホーム開幕戦となったエスパニョール戦ではベンチスタートを強いられた。マタラッツォ監督からの明確な警告と受け取れる。
 
 さらに深刻なのは、タケ本来の魅力である躍動感や閃き、競争心が影を潜めている点だ。先発だろうと途中出場だろうと常に前へ仕掛けるのが彼の代名詞だった。おまけにこの日は若手のマルシャルよりも後にピッチへ送り出された。屈辱的な瞬間だったことは想像に難くない。

 居場所を脅かされた選手がなすべきことは、一刻も早くそれを取り戻すこと以外にない。しかし、アディショナルタイムを含めたわずか15分余りの出場時間で、タケは何一つ結果を残せなかった。守備網を切り裂くことも、積極的にパスワークに絡むことも、決定機も生み出すこともなかった。