「Firefox 155」正式版リリース、ブロックしたトラッカー数をアドレスバーに表示&AI機能「Smart Window」の提供範囲を拡大

ウェブブラウザ「Firefox 155」の正式版が公開されました。AIを活用したブラウジング機能「Smart Window」がアメリカ・カナダ・フランスの全ユーザー向けに提供されるようになったほか、Firefoxがブロックしたトラッカー数をアドレスバーで確認できるようになりました。また、コンテナーの並び替えや翻訳対応言語の追加、PDF印刷機能の改善なども行われています。
https://www.firefox.com/en-US/firefox/155.0/releasenotes/
◆AI機能「Smart Window」がアメリカ・カナダ・フランスの全ユーザー向けに提供開始
Firefoxには、開いているタブや閲覧履歴などを活用しながら情報整理や調査を支援してくれるAI機能「Smart Window」が搭載されています。Firefox 155ではSmart Windowをアメリカ・カナダ・フランスの全ユーザーが試せるようになったほか、過去に取り組んでいた内容へすぐ戻れるように、ユーザーごとにパーソナライズされた「会話を再開するための候補」が表示されるようになりました。

また、Smart WindowのアシスタントがAI向けウェブ検索サービス「Exa」を使ったウェブ検索の出典を回答に表示できるようになり、ウェブ検索を根拠にした回答を提示するまでの時間も従来のおよそ5分の1に短縮されています。

さらに、関連するタブを整理する「Organize Tabs」の精度も向上。関連性の高いタブをより適切にまとめるとともに、それぞれのグループに分かりやすい名前を提案してくれるようになっています。

◆ブロックしたトラッカー数をアドレスバーに表示
Firefoxには広告トラッカーやクロスサイトトラッキングCookieなどを遮断する「強化型トラッキング防止機能」が搭載されています。Firefox 155ではブロックしたトラッカーの数がアドレスバーに表示されるようになり、閲覧中のページでプライバシー保護機能がどれだけ働いているのかを確認しやすくなりました。

トラッカーのブロック機能そのものを無効化することなく、設定から件数表示だけを非表示にすることも可能です。なお、この機能は段階的に展開されるためユーザーによって利用可能になるタイミングが異なる場合があります。
◆コンテナーを自由に並び替え可能に
Firefoxの「コンテナー」は、仕事用やプライベート用など用途ごとにCookieやサイトデータを分離できる機能です。Firefox 155では、設定の「タブとブラウジング」にある「コンテナーの設定」画面からコンテナーの順番をドラッグして並び替えられるようになりました。ここで変更した順番は、Firefox内でコンテナーの一覧が表示される際にも反映されます。

◆翻訳機能がマラーティー語とウルドゥー語に対応
Firefox内蔵の翻訳機能で新たに「マラーティー語」と「ウルドゥー語」を利用できるようになりました。
◆Nintendo Switch Proコントローラーをウェブゲームで利用可能に
Windows版FirefoxではNintendo Switch Proコントローラーと互換コントローラーへの対応が改善されました。ウェブゲームで方向パッドやアナログスティックが正しく割り当てられるようになっています。
◆PDF印刷時に100%を超える拡大が可能に
FirefoxでPDFを印刷する際、PDFのページサイズが用紙サイズより小さい場合に、印刷倍率を100%より大きく設定して用紙いっぱいまで拡大できるようになりました。
◆その他の変更
・CSSのブロックや関数の入れ子を最大75階層に制限し、極端に深い入れ子によるクラッシュを防止
・キャプティブポータルの検出やネットワーク接続の確認に使用するドメインを「detectportal.firefox.com」から「firefox-portal-detection.com」に変更
・「mailto:」リンクから標準メールアプリを起動できるのは、クリックなどユーザーによる明示的な操作があった場合のみに変更
◆不具合の修正
・Linux版で特定のキーボード配列を使用してMicrosoft 365のWord Onlineなどへ入力するとテキストが消える問題を修正
・Googleドキュメントで「書式なしで貼り付け」のキーボードショートカットを使った際に不要な貼り付け確認が表示される問題を修正
・タブのドラッグ処理が正常終了しなかった場合、ツールバーやタブバーが操作不能になる問題を修正
・ボタン内部のテキストを選択・コピーできず、XのダイレクトメッセージやYouTubeのコメントなどをコピーできない問題を修正
・インターネットラジオなどのライブ音声ストリームをバックグラウンド再生すると停止する問題を修正
・音声を再生中のタブを別のウィンドウへ移動すると音声インジケーターが消え、ミュートできなくなる問題を修正
・Linux版Firefoxを長時間使用するとOSがスリープできなくなる問題を修正
・カメラ用ノッチを搭載したMacBookで全画面コンテンツの上下や左右に余白が表示される問題を修正
・別サイトの埋め込みコンテンツを含む一部のページで矢印キーやPage Up・Page Downによるスクロールが動作しない問題を修正
・Windowsで一部のあまり一般的でない文字体系の文字が空白の四角形として表示される問題を修正
・macOSでNV12形式のVideoFrameをエンコードするとWebCodecsのVideoEncoderが応答しなくなる問題を修正
◆開発者向けの更新
・開発者ツールのルールビューにprefers-reduced-motionをエミュレートする切り替え機能を追加し、メディア機能のエミュレーション設定を「@」ボタンから開く専用パネルへ移動
・デバッガーですべてのブレークポイントをまとめて有効・無効にするショートカット「Ctrl+Alt+B」を追加。macOSでは「Cmd+Alt+B」
・JSON ViewerがJSON Lines(JSONL/NDJSON)形式に対応し、不正な行が存在する場合はその場所にエラーを表示
・開発者ツールのストレージパネルで、プライベートウィンドウやコンテナー、その他のパーティションのCookieが検査中ページのCookieと一緒に表示されてしまう問題を修正
・Errorオブジェクトではない未処理例外について、コンソールに単に「Object」と表示するのではなくプロパティ名を表示するように変更
・CSSのattr()で任意の型の値を扱えるようになり、contentプロパティ以外でもHTML属性の値を利用可能に
・CSSのprogress()関数をサポート
・色の透明度だけを変更できるCSSのalpha()関数をサポート
・JavaScriptで「Promise.allKeyed()」と「Promise.allSettledKeyed()」をサポート
・WebAssemblyのCompact Import Sectionをサポートし、多数のimportを持つWebAssemblyモジュールのサイズ削減が可能に
・WebAssemblyのWide Arithmeticをサポートし、暗号処理や任意精度演算などで利用できる128ビット演算命令を追加
・HTTP/3接続でQUIC version 2をサポート
・Firefox 153で追加された非標準の「::-webkit-scrollbar」のサポートを、すべてのウェブサイトではなく一部サイトに限定
・SVGの「」要素でprotocol、host、pathname、searchなどHTMLリンクと同様のURLプロパティを利用可能に
・「SVGGraphicsElement.getBBox()」がoptions引数を反映し、ストロークやマーカー、クリッピングを考慮したバウンディングボックスを取得可能に
・「font-stretch」の標準名称となるCSSプロパティ「font-width」をサポート
・ネットワークエラーやHTTPエラーで失敗したdynamic import()を失敗状態のままキャッシュしないように変更し、同じモジュールの読み込みを再試行可能に
・WebTransportでストリーム間の帯域幅配分を制御するsend groupsや書き込み可能なデータグラムストリームなどをサポート
・WebRTCでRTCErrorやRTCSctpTransport.maxChannelsなどをサポート
◆既知の不具合
縦型タブを使用している場合、Firefoxを再起動するとサイドバーの表示状態が保持されないことがあります。不具合が発生した場合はツールバーのサイドバーボタンから再度有効化可能です。
また、企業ネットワークなどUDP通信を遮断している環境では、一部のウェブサイトの読み込みが遅くなったり、読み込みに失敗したりする場合があります。Mozillaはこの問題について、遅くとも2026年9月8日までに公開予定のFirefox 155.0.1で修正する計画です。
Firefox 155には複数のセキュリティバグフィックスも含まれています。
なお、次期メジャー版となる「Firefox 156」は現地時間の2026年9月15日(火)にリリース予定です。
