【スギ アカツキ】タピオカブーム終焉も「ゴンチャ」人気が止まらない理由は? 社長が明かす「ティーブーム」の現在地
Z世代は「コーヒーよりも紅茶派」
今年は第三次紅茶ブームが到来しています。それは突然の大ヒットというよりも、コーヒーをじんわり脅かすかのようなしっかりとした空気感。Z世代などの若年層や女性を中心に、「紅茶派」の人気が上昇しています。そんなティートレンドを牽引するブランドと言えば、「Gong cha(ゴンチャ)」。繁華街やショッピングモールなどで見かけるようになったと感じている人も少なくないでしょう。
ゴンチャは世界約30か国・地域で2,000店舗以上、日本では、245店舗(2026年8月末現在)を展開するグローバルティーチェーン。実はつい先日の8月6日に米投資ファンド大手のベイン・キャピタルが既存株主から買収すると発表したばかりで、今後の茶葉市場の可能性を考えれば、ゴンチャの動向に大きな注目が集まっているといっても過言ではありません。
このブームをきっかけとして、コーヒーに覚醒を求めてきた時代から、お茶に癒しを感じる時代にシフトしていくのでしょうか?お茶はどこまで人を癒せるのでしょうか?この疑問の答を探すために、ゴンチャの角田淳社長に話を聞きました。
空前のティーブームが到来したワケ
--日本でゴンチャが流行っている理由は何なのでしょうか?
スターバックスが日本に上陸した当時(1996年)、オール禁煙空間のコーヒー店はうまくいかないのではという声がありました。でもこれは冷静に考えてみれば、“タバコを吸わない人の天国”を作り上げたことが新たな市場につながったということ。これを今の時代に当てはめてみると、“コーヒーを飲まない人の天国”を提案できるのはゴンチャであるという自負があります。
そもそも日本に古くから根付いているのは、コーヒーではなくお茶であることは紛れもありません。緑茶やほうじ茶をはじめとする日本茶が広く浸透しています。その背景の中でゴンチャが提案するお茶は、ストレートで飲むだけではなく、ミルクフォーム(泡状ミルク)やフルーツと合わせた新しいスタイル。お客様の誰もが自分らしい一杯を、自由に選んで楽しむことができます。
今は決められたものを選ぶのではなく、その日の気分に合わせてドリンクを選ぶ時代。そのニーズを満たすようなゴンチャ体験が、少しずつお客様に届いている結果だととらえています。
「コスパ」よりも「バリュパ」を重視
--そうは言っても、スーパーやコンビニに行けばお茶は100円台で購入できます。1杯500円を超えるティードリンクを高いと感じる人もいるのではないでしょうか?
例えば限られた時間の中で、5~600円で心を満たすことを考えてみてください。私はこの条件下の中で、タイパ(時間)やコスパ(価格)よりもバリュー(価値)が評価基準になると考えています。つまり『バリュパ(バリューパフォーマンス)』が高いことが重要で、ゴンチャは体験型食空間として価格以上の価値提供を目指しています。具体例を挙げるとすれば、お客様がスムーズにお茶を注文できてストレスなく受け取れること。そしてスタッフのひとりひとりがゴンチャに愛情を持って働いてくれることなどです。
スタッフにもゴンチャのドリンクを楽しむ環境を整えていますから、ゴンチャに関わるすべての人々が、お茶を飲みながらほっと一息つく時間そのものにも価値を感じていただきたい。そうなれば必ずや1杯500円のミルクティーは安いと感じていただけるはずなのです。
オススメ商品をイマドキの言葉に乗せて発信
--社長のおすすめドリンクを教えてください。
ミルクとフルーツ、今日がどちらの気分かにもよりますが、「“ブラミ”にミルクフォームトッピング」は是非とも味わっていただきたい。ブラミとは「ブラック ミルクティー」のことで、ゴンチャを代表する超人気商品です。そこに甘じょっぱいミルクフォームをトッピングすると、これまでにない絶妙な味わいが楽しめます。
また、スタッフのユニフォームTシャツに付いている缶バッジをご覧いただくとわかりやすいのですが、“ブラミ”や“ティーエード”というオススメ商品をイマドキの言葉に乗せて発信しています。これは商品の認知だけにとどまらず、オリジナルドリンクへの興味や親近感を高め、ゴンチャする(=ゴンチャでお茶を楽しむ)ことに特別な愛着を持っていただけるきっかけになります。「ティーエードは超えぇど(ハートマーク)」といった感じですね。
「見えない価値」をどう作っていくか
ーー商品やサービスにおいて最重視しているのは、やっぱり「映え」ですか?
必ずしもそうではありません。もちろん映える商品づくりは重要です。理由は、ビジュアルによって商品への期待を大いに高めることができるから。しかしながら映えという「見える価値」以上に注力しているのが、“見えない価値”をどう作っていくかです。
例えば、タッチパネル式のセルフオーダーキオスクの設計には相当のこだわりがあります。どんな国籍の人でも使いやすいように画面設計や操作性を改善させたところ、これまで2分半もかかっていた注文時間が大幅に短縮されました。おいしいお茶を飲んでいただくことはもちろんですが、ゴンチャでのストレスフリーな購入体験は、確かな顧客満足につながります。
あらゆる世代に支持されるティーカフェに
--ゴンチャは若者だけに支持されるブランドなのでしょうか?
ゴンチャは今年11周年を迎えました。当時20歳だったお客様は31歳になっているわけですが、31歳が若者かどうかではなく、この先もずっとゴンチャファンでいてもらえることの方が大事だと考えます。
また“若さ”にもいろいろな解釈があります。最近では娘に連れられて一緒にゴンチャを楽しむお母さん達が多くいらっしゃいますし、現代の中高年ビジネスマンは心身ともに若々しい。ですから数字上の若さだけに捉われるのではなく、どんな世代のお客様に対しても、“何かが見つかるティーカフェ”を目指したい。
新商品開発についていえば、甲子園球児が真剣に甲子園を目指すような志を持ってチャレンジしています。例えばおすすめはブラミやティーエードだけではないということです。昨年から発売し今夏の酷暑にも大盛況だったシャリシャリ食感の「ジェラッティー」や、お茶好きのために生まれた新シリーズ「TEACRAFT」は一度試してみていただきたい渾身の一杯です。
--私はこれまで、「お茶=静的な癒しを与える飲み物」と解釈していたところがありましたが、今回の角田社長のお話を聞いて、その印象は一変。ゴンチャの魅力は、“ほどよく動的な癒し”にあることに気がつきました。
ドリンクを自由に選べるワクワク感やスムーズな楽しさこそが、これからの時代に求められている癒しの新しいカタチなのかもしれません。そんな発見を基に、今後のゴンチャにますます期待をしていきたいところです。
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