米国で2年間勤務した高市首相の英語、ネイティブは「苦痛」? 専門家3人が発音・話し方を分析
高市早苗首相(65)は、米国での「連邦議会立法調査官」としての勤務経験をウリにしてきた。ところが最近、SNSなどでは彼女の英語力の拙さを指摘する声が相次いでいる。果たして、実際の英語力はいかほどなのか。
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終戦記念日の8月15日、都内は前日までの曇り空から一転、夏空となった。この日、高市首相は周辺国への配慮から靖国神社参拝を見送ったのだが、保守派からは“その程度の覚悟だったのか”と落胆の声が上がっている。
目下、同様に“その程度か”と疑問視されているのが首相の英語力。
ネイティブは理解に苦労する
アメリカ人で神田外語大学講師のジェフリー・ホール氏は、英語話者の立場からこう語る。

「私は以前、Xで高市首相の英語スピーチについてコメントを求められた際、“苦痛だ”と表現したことがあります。ネットで日本人が彼女の英語を称賛するコメントを見て、大変困惑しました。彼女の英語は原稿を読み上げているだけで、一つ一つの言葉の意味を考えていないという印象を受けます。ネイティブは理解に苦労するでしょう」
だが、首相は米国で2年間、下院議員の下で勤務した経験を持つ。
「ワシントンD.C.での職務経験があると知って、少々驚きました。もしかすると、その時から年月がたって英語力が落ちてしまったのかもしれませんね」(同)
ホール氏は首相のボディランゲージについても、次のように話す。
「私は首相が相手の話を聞く際、特にほほ笑む必要のない英語のフレーズに対して、満面の笑みやうなずきで反応しているのを見たことがあります。日本人には親しみやすく自信に満ちているように見えるかもしれませんが、ネイティブには、話されている英語を理解していないように見える可能性があります」
そして、前首相を引き合いに出してこう言う。
「石破茂前首相はどんな場面でも通訳を使い、英語を話そうとしませんでした。多くの日本人が彼の外交スタイルを批判しましたが、私は不当だと思っています。国際会議で各国のトップとの握手の際に座ったままで、時折スマートフォンを眺めていたものの、外国の指導者が不快に感じたとは思えない。トランプ大統領をはじめ外国の指導者の言葉を、通訳が説明するのを冷静に待つという石破前首相の姿は、私には力と自信の表れに見えました」
日本語訛り
一方、バイリンガルであり、アクティングスクールの「tori studio」英語演技クラスで指導もしている映画監督の渋谷悠氏は、高市首相の国際舞台での態度について、
「堂々と話す姿勢は評価できると思います」
と述べる。もっとも、発音についてはこう指摘する。
「高市首相の英語は、全体的に日本語訛りが強いのは間違いありません。ひと昔前までの日本の英語教育ではRの発音を意識するように教えられていたようですが、むしろ、日本人はRよりもLの発音が苦手な傾向にあります。なのに、Rを巻き舌で発音する練習ばかりさせられるのでLまでRのように発音してしまう。高市さんの英語もまさにその典型です。RとLはいろんな単語に頻出するので、こうした発音の癖がスピーチ全体を聞き取りづらくさせる要因になっています」
余計に分からない
東京大学教授で英文学が専門の阿部公彦氏に聞くと、
「高市首相の英語は確かに改善の余地がありますね。具体的にはイントネーションに重きを置き過ぎて、アクセントが少々なおざりになっています。無駄にペラペラと流れるように話そうとして、余計に何を言っているのか分からない箇所も散見されます。スピーチでは語句の切れ目をはっきりさせ、強弱のアクセントでメリハリをつけたほうが英語話者には伝わるでしょう。また、子音もより強く発音するように心がけた方がいいと思います」
先のホール氏が言う。
「首相の英語力は外交能力を測る重要な尺度ではありません。プロの通訳を使うことが最良の選択です」
外交的配慮も大事だが、国際舞台では虚勢を張らず、専門家に頼ることが肝要なようだ。
「週刊新潮」2026年8月27日号 掲載
